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異世界デビューに失敗しました  作者: トルトネン
第五章 ヘッジホルグ共和国
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第十六話 死への呼び声

 警戒するように隊列は奥へ奥へと進んでいく。誰一人雑談をすること無く、その目は真剣そのものだ。


 天井の照明は全て消え、あるのは非常灯だけ、直線の通路でも奥を見ることは出来なかった。下手をすれば自分達の隊列の最後部を視認することすら難しい。


(嫌な雰囲気だ。それに様子がおかしい)


 俺も含めて、Cランク以上と言えば命のやり取りを繰り返し行い、個人個人がそれなりに修羅場を経験してきている。そんな経験から生み出された勘がこの階層で起きた異変に気づいていた。


(ここまで来て職員一人も出会わないなんて)


 この階層にはかなりの数の警備兵を含む職員がいたはずだ。それが一人も出会わない。入り口周辺は確かに物が乱れていたが、それはこの階層が封鎖されそうになった職員達が殺到したからだろう。


 だが、歩き進め奥に行けば行くほど違った。確かに、物は散乱はしている。だが、散乱の仕方が決定的に入り口とは違う。明らかに争った形跡、戦闘痕が至る所で残されていた。


 そして何かあったと感じさせる確信的な物が見つかる。


「血か、これ?」


 冒険者の一人が通路の片隅に座り込み、血痕を指差す。それは奥まで伸び、水溜りのように溜まる血が見えた。


 血溜まりを確認しに行った別の冒険者が口を開く。


「血だけじゃねぇ。はらわたの臭いも混じってやがる」


「実験体はここまで来てないんじゃなかったのか?」


 俺が警備兵の一人に尋ねると困惑した様子で口に手を当てた。


「ああ、この階層への実験体の侵出は確かに防いだ。それにアレの特性上、血溜まりを残すはずがない」


 その言葉に反応したもう一人の警備兵も喋りだした。


「となるとやはり何らかの魔物が逃げ出しているのか。少し前ならまだしも、今はこのフロアに飼育されている魔物は最大でオークのはず。そんな魔物相手に警備兵が後れを取るとは思えないが――」


 予定外の出来事に、二人の警備兵は考え込んでいる。


「本隊に合流するのか?」


 この異常事態がここの区画だけか、それとも全体か分からないが、それでも本隊に伝えなくてはいけないだろう。


 本隊は通信用の魔道具を持っているが、数が限られ、高価な通信魔道具は散らばった分隊にまでは配られていない。連絡すると言えば口頭しか無かった。


「いや、まずは相手が何であれ、正体を掴まなくてはいけない。ここで見逃せば、本隊や他の分隊を危険に晒す可能性がある。予定通り行動をする。ここから班ごと、組ごとに散らばる。何か見つけたら確実に報告をしてくれ」






 指示された通路に面する部屋を一つ一つ入り中に何かないか確かめていく。既に班から組に分かれ、捜索を開始された。


 光源が乏しくなった地下は非常灯だけが頼りだ。一応、各員にヒカリコケが入ったランプが配布されたが、無いよりはマシと言った程度のものでしかない。


「通路は悪臭が漂ってやがるし、視界も利かない。ここは安全と言われても、蓋を開けたらこれだ。報酬が良くなければやってられねぇな」


 暗闇、悪臭、閉所、それらの重圧に絶えられなくなったのか、ペアとなった冒険者が話し掛けて来た。迷宮ダンジョンですらもっと広く、明るい。迷宮に慣れている俺ですらそう感じるのだ。普通の冒険者にとってはかなりの苦痛だろう。


「臭いはまだ慣れるとして、視界が悪いのは厄介だな。何か物や人を探そうにも見つけ辛い」


 先ほども散らばっていた何かの破片を気づかずに踏みつけてしまった。それからは気を付けているものの、嗅覚と視覚が制限され、複雑に入り組んだ通路のせいで聴覚も狂わされてしまう。


(本当にやり辛い場所だ)


 その後も見知らぬ冒険者とペアになった俺は注意深く人の痕跡を探るが、生存者どころか死体すらも見つからない。あるのは点々とする血痕、何かをバラしたような痕跡だ。


 そんな中で、他とは違うものを見つけた。それは何かを引き摺ったような跡。


「なぁ、アンタ。これなんだと思う?」


「何かいるな。人間とは限らなそうだが」


 俺の一言に、相方となった冒険者は唾を飲み込んだ。散らばる紙を踏みつけ、散乱したガラス片を避けて歩く。血痕はある部屋の前まで続いている。


 本来あるべき扉は中央からくの字に折れ曲がり、部屋の床に転がっていた。


入り口の横にある壁に張り付いた俺は、後ろの冒険者に目で合図を送り、室内を覗き込んだ。


 空になった幾つかの本棚、本来は綺麗に並んでいたであろう並べられた机、何かの数値を纏めたレポートが有るが、それだけだ。部屋の隅、机の下、天井など次々視線を移すが、他の部屋と変わらず、研究者も魔物も居ない。


(安全か)


 首を振り、中に何もいない事を伝えると、一緒に部屋の中へと入り、壁沿いに移動しながら入り口から死角を見て回る。


「剣……警備兵のものか」


 並んだ机と机の間に、血が付着した剣が落ちていた。恐らくは警備兵のものだろう。外で見た他の警備兵の剣とグリップが同じだ。


 床に落ちていた剣を冒険者は靴先で軽く蹴ってから、拾い上げた。剣の先端から末端までべっとり血で濡れている。明らかに使用済みだ。


「みたいだな。何を切ったんだか」


 集中が切れたのか冒険者がため息を吐く。引き摺られた痕跡もそこで完全に途絶えてしまっていた。


「血や剣じゃなくて、他に金かミスリルなんかの貴重品は無いのかねぇ」


 緊張を和ませようとしたのだろう、冒険者は冗談を言う。


「止めておけ、どうせ入り口で没収されて報酬が下げられるぞ?」


「だな。じゃ、研究員の財布か何かなら――」


 冒険者が会話を続けようとした時、俺の耳が何か捉えた。


「待て……音がする」


 腐ってもCランクの冒険者だ。危険を察知して武器に手を這わせ、辺りを探り始めた。


(部屋の奥、あの通路からか)


 音のする方向は部屋にあった通路の先だ。不規則だが、間違いなく足音だろう。俺が指を指すと冒険者は頷き、音が立たないようにゆっくりと剣を抜いた。


 俺も腰のスローイングナイフに手を伸ばす。


 迫る足音に神経を削られながら、それが来るのを待つ。現れたのは肩まで伸びた髪に、細い手足の女性研究者だった。


 髪と服は乱れているが、まだ確実に動いて息がある。


「……何だ。所員さんかよ。無事か? ここで何があった?」


 はぁ、と息を長めに吐いた冒険者は肩の力を抜くと剣を鞘に戻した。


 よほどの事があったのだろう、女性の研究員はふらふらと漂い下を向き、小さく嗚咽を漏らしている。


「おい、大丈夫か?」


(保護して、警備兵のところに連れて行く。話を聞いてから、本隊に合流か?)


 俺は周囲を警戒しながら、今後の予定を考える。


 手を差し伸べながら冒険者が近寄ると、安心したのだろう。女性が冒険者へ倒れ掛かった。


「お、おい――っぐぁ」


 信じられない事に、ぐったりしていたはずの女性は冒険者の頭に掴み掛かり、防具ごと冒険者の頭を繰り返し壁に叩きつけ始めた。


 頑丈なはずの防具が軋み、歪み出す。それだけの力で冒険者を叩きつけている。


「がっ、止めろ。やめ、離せェ!!くそ、女の力じゃ」


「離れろ!!」


 思い掛けない突然の凶行、仲間への暴行を止める為に駆け寄る。俺の接近に気付いた研究員は冒険者を投げ飛ばすと、自由になった腕で俺の顔面へ拳を繰り出して来た。


(気でも触れたか!?)


 頭を下げると直ぐ上を拳が通過する。女性研究員とは思えない威力だ。拳が避けられた為か、左手で抱き付いてこようとして来る。


 咄嗟に肩と手でタックルするように女性を突き飛ばす。体重差もあり、勢い良く壁に叩きつけられた女性だったが、何事も無かったかのように瞬時に起き上がった。


「落ち着け!! 外部から来た救助だ」


 呼び掛けるが返答は無い。顔を動かさず、研究員の眼球がぎょろりと俺を捉えた。


「きゃ、いっぇええええ、がg、ひひひ゛ひ!!」


 鼓膜を揺さぶるほどの奇声を上げて飛び掛かって来る。女性研究員の瞳孔が開き、口からは大量の涎が垂れていた。錯乱して掴みかかってくる研究員におもいっきり拳を振る。


「このッ」


 顔面に綺麗に拳が直撃、そのまま仰け反りひっくり返ると、女性は勢い良く床を転がった。だが、獣の様に受身を取り、四つん這いになると、腕を上げ再び迫って来る。


(まだ来るか!? 慌てるな。体格はこっちが上……腕と喉を抑えて)


 張り手をするように突き出した両手で、それぞれ左腕と喉を掴み取り、体勢が崩れたところで蹴りを入れて引き倒す。


「きさ、がびっがり、りあぁあああ゛あああ!!」


 暴れる女性を強引にうつ伏せにすると、研究員の腕を押さえつけながら膝で踏みつけ体重をかける。


 体の自由を奪われた研究員は陸地に上がった魚の様に体を跳ねさせ、足掻く。


「落ち着け、動くな」


 言葉は無視され、拘束など関係ないとばかりに動き続ける。信じられない事に足から何かが壊れる嫌な音が伝わって来た。


 俺の血の気は一瞬で引いた。


(嘘だろ……何だよ。これはッ)


 後ろ向きに押さえつけられていた腕を無視して動いたために、女性研究員は自ら肩を外してしまった。


 それだけでは無い。踏まれた足から逃れるために強引に体を動かしているために、筋と皮だけで繋がっていた肩からはぶちりぶちりと筋が断裂する音が聞える。


「あっ、あ、んかぎいい、あっゥアガガガガッがガ」


「どうなってんだ、コイツはよ!?」


 腕を押さえて立ち上がった冒険者が俺に尋ねてくるが分かるはずがない。


 生物としてここまでする魔物は確かにいた。だが、人間としてここまでする者など見た事が無い。得体の知れない恐怖に俺は顔を歪めた。


(何かの薬、麻薬か!? だとしてもこれは――余りに、異常過ぎるだろうッ)


「ロープか何か拘束する物はあるか!? ――おい、どうしっ……?」


 急に冒険者が黙り込み不安になって顔を上げると、瞬きもせずに一点を見つめていた。俺もゆっくりと視線の先に目を向けると、暗闇の通路の先で何かが動く。一つでは無い。複数だ。


 それはだんだんと鮮明になって来る。薄く暗く照らされた先には、血に濡れた5人の人間が見えた。


「救助隊だ。そこで止まれ!!」


 足元で蠢く研究員を押え付けながら警告を叫ぶが、帰ってきた反応は奇声だった。


「うぇあ? あっぃえ、いはか、がががっががあ」


 当然の様に帰ってきたのは意味を成さない言葉の羅列。


「やってられるか!!」


 悲鳴のような声を上げた冒険者は背を向けて駆け出した。それが狼煙となって一斉に室内に雪崩れ込んでくる。


(ちくしょう、こいつらもか)


 逃げ出した冒険者に続こうとするが、研究者の腕が俺のブーツと脛当ての上から足をがっちりと掴んでいるせいで足が動かせない。


(やりたくないが、こいつらはヤバイ)


 足元で暴れる研究員の腕を踏み砕き、自由となった俺は後ろに飛び退く。一先ずは先に逃げた仲間や他の班メンバーと合流すべきだろう。


 通路に出ると、あちらこちらから声が響く。それはどれを取っても好ましくない声だ。


「ぎゃぁ、ぁああッ――!!」


「止めろォ。くそ、いてぇ、あああっ」


「集合だ。集合するんだ!!」


 廊下を反響してあちこちから悲鳴と奇声が入り混じっている。他の分隊も一斉に襲われたようだ。


(どうなってる。あいつらはなんだ!?)


 自問自答するが答えは出ない。それよりも今は迫る脅威をどうするかだ。


 廊下を疾走する中、後ろからは5人が追走して来ている。俺の足の方が速いので、だんだんと距離が開いているのが唯一の救いだ。


 廊下の角を曲がると、数人の人影が見える。


「おい、やば――」


 声を掛けようと喉から言葉が出掛かった時、ようやく異変に気付いた。


 暗闇で視界は悪いが、それでも見間違えることは無い。


 同じ分隊の冒険者だった2人が血溜りの中で力無く倒れ込んでいる。その直ぐ横には先に逃げた冒険者が2人の人間に貪り食われていた。


「こいつらッ……!!」


 バスタードソードを抜き、助けに入ろうともするが、思い直した。一言も上げないところを見ると、既に息があるとは思えない。


(クソッ、死んでる。班が全滅、他の班か分隊に、合流しないと)


 背を向け、別の通路に逃げ込もうとするが、遅かった。後ろから駆け込んでくるアイツらの足音に反応して、顔を上げた2人は俺の存在に気付いた。


(こっちもか、まずい気付かれた)


 遠吠えのような叫び声の後に、俺に向かって駆け込んで来た。後ろからは6人。正面からは2人が迫る。


 通路の縦の広さはあるものの、横は決して広いとは言えない。すり抜けて逃げるのは無理だろう。もたもたしていると8人に囲まれる。そうなれば待っているのはあの冒険者のような末路だ。


「来たら、殺す」


 明確に警告はした。帰ってきたものは予想通りの返事。


「あぎっ、がでぃひひ、ひいぃいい」


 話しが通じる相手でもなく、獲物を俺に変えたようだ。


 べっとり血で塗れた手と頭を揺らしながら駆け込んでくる人間に対し、俺も同じように走り出し、剣を引き抜いて答える。直ぐに距離が詰まり、俺の間合いに入った。相手の首にバスタードソードを振り下ろす。


(ここまで躊躇無く来るか)


 普段の相手ならば確実に首を跳ねていたであろう刃は、両手を切断するだけに止まった。瞬間的に夥しい血液が流れ出るが、それに臆する様子は無い。


 涎を飛ばし、大きく開かれた口が喉を食い千切ろうとするが、その顎より俺の蹴りが相手の腹部を捉える方が速かった。


 真後ろへと蹴り飛ばされて転がる一人目と入れ替わるように、後続の奴が走り込んでくる。


(目の前で人が切られたのに、怯みもしないかッ)


 蹴りに使った足でそのまま踏み込み、バスタードソードを突き出す。


 駆け込んで来た相手の勢いも加わり、難なく首の半分が切断されるが、何事もないかのように、俺に掴みかかってくる。


(手負いの獣より質が悪いッ)


 その場で足を入れ替え、反転すると、勢いを利用して真横に斬り付ける。頚椎を一撃で切断する手ごたえの後に、薄皮一枚繋がって首を斬られた男はそのまま後ろに倒れた。


 両手を失い倒れ込んでいたもう一人だが、上半身の力だけで起き上がると前のめりになって吶喊とっかんして来る。


 それに答えるように駆けた俺は上段に構えたバスタードソードを振り下ろし、頭蓋骨から首まで縦に両断した。


 機能の中枢を失い、その場に崩れ落ちる。


(クソ、普通の人間じゃない)


 致命傷と言える傷を負っても平気でこちらを殺しに来る。軍人、盗賊と様々な人間と戦ってきたが、ここまで狂った人間は初めてだ。


 反転すると正面からは6人が追い上げてくるのが辛うじて見える。足元を確かめると、書類や実験器具が散乱していた。自分が幸運とは言えないものの、最低限の運はあるらしく、手ごろな金属片や崩れた壁の破片が豊富にある。それを幾つか拾うと、正面から迫る6人に投擲した。


 金属片が頭部に直撃すると、ゴッ、という鈍い破壊音の後に足から滑り込むように倒れた。2人目、3人目も頭部に投擲物が直撃して動かなくなる。問題は4人目だ。投擲された破片だったが、手前で迎撃され腕に衝突した。腕は使い物にはならなくなったが、この相手では不十分。


 距離から言ってもう時間はない。


(全部は無理か)


 立てかけておいた抜き身のバスタードソードを掴み取ると、足を広げ下段に構える。


「でぃ、ぎぎ、ぎっがら゛らららあああ!!!」


 直前でこちらに跳躍した奴を空中で真っ二つに切断。続いて飛び込んで来た相手を無視して、後ろに大きく跳ぶ。


 俺の目の前に一人が叩きつけられるように落ちてきた。四つんばいで着地をしたそれはすぐさま俺に飛び掛ろうとするが、その前にすくい上げるように振ったバスタードソードが顎から上を飛ばす。仲間の死体を踏み台にするかのように、最後に一人が駆け込んできた。


(振ったんじゃ間に合わない)


 振るよりも突き刺すほうが早いと判断した俺は、バスタードソードを突き出した。剣先が鳩尾の辺りに入り込むと、そのまま背中側まで抜ける。


「ざ、が、ひだぎりゃががっ、がぎぁあああああああああああああ!!!!」


「グッ、まだ動くか!?」


 仕留めたと思った俺だったが、認識が甘かったようで、刃に刺さりながら更に前進して来た。


 俺が後ろに下がり、突き刺さった刀身が一旦引き抜かれる。自由になった相手はその分間合いを詰めて来るが、掴み取られる前に上段に構えたバスタードソードで斜めに切り裂いた。


 45度の角度で右肩から左脇まで切断された相手は床に落ちると、ようやく動かなくなった。


「はぁ――なんなんだ。これ」


 辺りの気配を探るが近くにはいない。ただ、戦闘音と悲鳴は依然として続いていた。べっとりと血の付いたバスタードソードを数度振り、血を落とす。


(死んだよな……?)


 倒れこんだ奴らを剣先で突くが反応はない。ここまですればどうやら死ぬらしい。


 バスタードソードを鞘へと戻しながら倒れている冒険者の元に行くが、手遅れだった。既に脈も息も絶えている。致命傷は頭部への殴打か喉への噛み付きだろう。


(来て早々に班が壊滅、自分の運の良さに泣けてくる)


 首に下げられた認識票代わりのギルドカードを引きちぎり、遠吠えが聞こえる方から遠ざかる。ここに留まるのは良くない。


 先ほどまで隣の班の戦闘音が聞こえていたのだが、今となってはそちらの方からは奇声しか聞こえて来ない。全滅か、助かった人間が息を潜めたのだろう。


 一人になってしまった俺は本隊と合流するために歩き出す。

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