ツンデレ彼女の最初で最後のお願い
短編小説の二作目です。一作目同様暇つぶし程度に生温かい目で見てくれるとうれしいです。
俺の名前は、日高拓海何処にでもいるような普通の学生
そんな俺は今、学校の屋上にいる。そして、俺の前には同じクラスの女の子麻倉舞が立っている。
俺は今、この女の子に告白されているのだが・・・
この子は、「べ、別に好きなわけじゃないけど、あんたのことが放っておけないから付き合ってあげるわ!」
それは、好きというんじゃないか?と一瞬言いそうになったがすぐにこらえた。自意識過剰に思われそうだから。
俺は、少し答えに迷ったが彼女の方を見てみると不安そうな顔でこっちを見ていたし、それに俺事態も舞には好意を抱いていたので。
「わかったよ」と俺が言うと
舞は不安そうな顔から一変して満面の笑顔になりながら
「本当!」と俺に聞いてきた。
「ああ」と俺が返すと
「やったー!」といいながらはしゃぎまわっていたがすぐにハッとなり
「べ、別にうれしいわけじゃないんだからね!放っておけないから付き合うだけなんだからね!」と俺に向かって言ってきた。
どうやら俺の彼女は、ツンデレらしい
「これからよろしくな」と俺が言うと
彼女は、「し、仕方ないわね」と若干恥ずかしそうにそう言った。
そんな、彼女を見て俺は可愛いと思ってしまった。
それからの彼女は、見事なツンデレっぷりを発揮しながらも俺のために弁当を作ってきてくれたり、一緒に登下校したりした。
こんな毎日がずっと続けばどんなに幸せだろうか、そんなことを願いながら俺は舞と一日一日を有意義に過ごしていた。
しかし、俺の願いはある時、一瞬にして砕かれた・・・
その日、俺と舞はデートに出掛けていたのだが舞の様子がおかしいので心配した俺が「調子悪そうだし今日は、もう帰るか?」と提案したら
「ダメ!」と力強く拒否してきた
「どうしてだ?」
「どうしてもよ!」
「だけど・・・」
「気にしないでいいから、早く次に行くわよ!」
そういって、舞が進もうとした時
「舞!」
舞が急に倒れたのだ
「おい!舞!」
呼んでも返事がない、俺は急いで救急車を呼んだ
俺は、病院の中の椅子に座っていた、しばらくすると舞の両親がやってきた。俺は、舞の両親に舞が倒れた時のことを教えた。
すると、舞の両親は泣きながら舞についての話をしてくれた。
舞の両親の話によると、舞は生まれながらの病気で今の技術じゃ治る可能性のない病気らしい。しかし、舞は病気に負けずに毎日学校に通っていたそうだ。
しばらくすると、舞の診察をしていた医者がこちらにやってきた。それに、気付いた俺はすぐに医者に舞の容態を聞いた。
「先生!舞は大丈夫なんですか!」
俺がそういうと医者は、
「なんとか、一命は取り留めましたが麻倉さんの容態は私たちが思っていた以上に悪くなっています。」
「そんな・・・なんとかならないんですか!」
「すみませんが、今の医療技術じゃどうにも・・・後一カ月生きられるかどうか・・・」
それを聞いた俺はその場に崩れ落ち泣いていた、舞の両親も泣いていて気を抜くとすぐにでも倒れてしまいそうな感じだった。
しばらくして、俺は立ち上がった。
いつまでも、泣いてる場合じゃない舞はもっとつらいのだからだったら少しでも多くあいつのそばに居てやりたい。そう思い俺は、舞のいるところに行こうとしたとき舞のお母さんに呼び止められた。そして、思いもよらないことを言われた。
「拓海君、今こんなこと言うのもおかしいかもしれないけど、あなたには感謝しているわ」
「え?」
「舞は、拓海君と付き合い始めてから毎日毎日生き生きしていたわ」
「・・・」
「舞は、普段拓海君に対して少しわがままかもしれないけど、それは、他の誰よりもあなたのことを信頼しているからなのよ」
「拓海君の話をしている時の舞の表情はどんなにがんばっても私や夫には出せないくらい明るかったわ」
「お願い、舞がたとえ後一か月しか生きられないとしても最後の最後まで舞のそばにいてあげて、舞を支えてあげられるのは拓海君しかいないの」
「わかりました」
俺は、また流しそうになった涙をこらえながら精一杯の返事をした
舞のお母さんと話をした後、俺は舞のいる病室に行った。
舞はすでに起きておりベットの上から外の風景を眺めていた
俺は、舞のもとまで行くとベットの近くにあった椅子に腰かけた
「お母さんに私の病気のこと聞いたでしょ」
舞は、俺が椅子に座った瞬間そう言った。俺は正直に答えることにした
「ああ」
「わたし、後一カ月ぐらいしか生きていられないの・・・」
「それも、聞いたよ」
「そう」
「なんかお願いとかないのか、お前いつも俺にお願いしたことないじゃないか」
「別にないわよ、だって拓海といるだけで私は満足なんだから」
「ねぇ、私のこと好き?」
「当たり前だろ、だから俺はお前にいつまでも生きていてほしいよ・・・」
「私だって、いつまでも拓海と一緒にいたい・・・でも、私にはどうすることもできない」
そう言った、舞の体は小刻みに震えていた
俺は、震えている舞をそっと抱き締めた
「私、死にたくないよ、うわあああああああん」
そう言って舞は泣き始めた、俺は泣いている舞をいつまでも抱きしめた。しばらくすると舞は泣きやみそして俺にこう言った。
「拓海、私、精一杯生きるからだから私と一緒にいてくれる?」
「ああ、ずっと一緒にいる」
「嘘付いたら許さないからね」
「嘘なんか付かないよ」
そう言って俺は、舞の頭をそっとなでた。すると、途端に舞の顔が真っ赤になり
「な!いきなり何すんのよ!」
「別にいいじゃないかこれぐらい」
「恥ずかしいじゃない!」
「よかった」
「え?」
「舞、ずっと元気がなかったから今みたいに俺に怒鳴れるんならもう心配ないな」
「拓海・・・」
「お前は、泣いたりしてるより、そうやって怒鳴ったりしてるほうが似合うよ」
「何よ、人がいつも怒鳴ってるみないな言い方して」
「俺は、そんな気がするけどな」
「なんですって!!」
「冗談だって」
そんな、他愛もない話を俺たちは続けていた。
それからの舞は、いつも俺の隣にいた時の表情に戻っていった。あれから、舞はすぐに病院側の計らいで退院する事ができた。
そして俺は、常に舞のそばにいた途中までだったデートをしたり、舞の家に泊まりに行ったりもした。舞の両親も歓迎してくれて俺と舞は幸せだった。
しかし、時は刻々と迫っていった。
そしてちょうど一カ月後、舞はまた倒れ病院へ運ばれた、そして舞はこの世を去った。
俺は、来る日も来る日も泣いていた。学校にも行かず、外にも出ずただひたすらに泣いていた。そんな日々を過ごしていた時信じられないことが起きた。
「・・・舞、舞、舞」
俺は、何度も何度も舞の名前を呼び続けた、もう一生会うことのない愛しい愛しい人の名前をあいつのいない日々なんて考えられない生きていても意味ないそう思い俺はある時、自殺を考えた。そして、近くにあったカッターを手に掛けた時、一本の電話が鳴った。
今から自殺しようとする人間が電話に出る必要もないと思うが、なぜかその電話には出ないといけない気がして俺は電話に出た。
「もしもし」
「何よ、元気ないわね!」
それは、二度と聞くことはないと思っていた愛しい人の声
「舞なのか・・・」
「何よ自分の彼女の名前も忘れたの!」
「なんで、お前が」
「あなたがシャキっとしないから、成仏できないのよ」
「俺は、お前がいないとダメなんだ。だから、俺も舞のところに行くよ」
「ダメよ」
「どうしてだよ!」
「拓海が死んだら私が悲しいもの」
「舞・・・」
「ねぇ、拓海前に私にお願いがあるかって聞いてきたよね」
「ああ」
「じゃあ、今お願い聞いてくれる?」
「なんだ」
「私の分まで生きて、死のうなんてもう二度と考えないで、聞いてくれないなら私はあなたの事嫌いになるわよ」
「わかった」
「本当に」
「ああ」
「それなら、いいわ」
「舞」
「何よ」
「好きだよ」
「いまさら何言ってんのよ」
「そうだな」
「もう、電話切るね」
「わかった」
「拓海、最後に一つだけ言わせて」
「なんだ?」
「私も、拓海のことが好きよ」
「ありがとう」
「じゃあね」
「ああ、じゃあな」
そして、電話が切れた・・・
それは、幻聴だったのかもしれない、でも、俺は確かに聞いた舞の声を自分の好きになった人の声だ間違えるはずがない。
情けないな俺は、最後の最後まで舞にお説教されるなんて。
でも、おかげで目が覚めたよ
舞、俺生きるよお前の分までだって
それが、お前の最初で最後のお願いだから
どうもマロンです。今回も短編の作品ですが前の作品よりもぐだぐだ感が増しているきがする・・・
これからも小説を書きますがこんなぐだぐだな作品でも見てくれる人がいるとうれしいです。
アドバイスも期待していますどうかこれからもよろしくおねがいします。