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悪魔の左腕  作者: 770
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決戦前夜――捧げられる心臓

(^^)/

夜の荒野。星がぽつりぽつりと輝き、冷たい風が吹き抜けていた。

4人は焚火を囲み、静かに揺れる炎を見つめていた。

その中で、珍しく神妙な表情を浮かべたDCが口を開いた。


DC「みんな、ちょっと……聞いてほしいんだけど」


唐突な声に、カイが首をかしげる。

カイ「なんだ? いつになくしおらしいじゃねぇか」

リーディもにやりと笑って続けた。

リーディ「ほんとだ、DCがそんな顔するの珍しいよ」


だがDCは視線を炎に落としたまま、きっぱりと言った。

DC「……茶化さないで。冗談じゃないの。これは、本当に大事な話だから」


その声に、場の空気がぴりつく。

焚火の爆ぜる音だけが、しばしの沈黙を埋めた。


エリシアが小首をかしげ、不安げに問いかける。

エリシア「……大事な話って?」


DCは深く息を吸い込み、やがて口を開いた。

DC「実は——この前、天使教の男を倒したときにね。そいつの脳内の情報を少しだけ覗いたの」

カイ「脳内の情報?」

DC「そう。普通なら危険だから滅多にやらないけど……あの時はどうしても知りたかった。天使の心臓のことを」


炎に照らされたDCの横顔は、どこか影を帯びていた。


DC「……そこでわかったの。エリシアを天使の心臓から開放する方法」


一瞬で皆の表情が強張る。

リーディ「……方法が、あるの?」

エリシア「本当に……?」


DCは目を閉じ、言葉を選ぶように続けた。

DC「条件は2つ。ひとつは——“愛する者の心臓をささげること”。それは部位保持者でなくちゃならない」


焚火がぱちりと弾ける。

カイの瞳が細くなり、炎に照らされた横顔が険しくなる。


DC「そして、もうひとつ。心臓をささげた者は……次の“魔王の器”になる」


言葉を終えると、焚火の炎が風に揺れた。

長い沈黙。


エリシアは息をのむと、震える声で呟いた。

エリシア「……そんな……わ、私のせいで……」


絶句した彼女の手を、カイがそっと取った。

カイ「そっか……ありがとな、DC。言いにくいことなのに、ちゃんと話してくれて」


その声は不思議と軽く、しかし深い覚悟を含んでいた。


リーディは慌てて口を開く。

リーディ「で、でも! それってつまり……エリシアの心臓を治すためには、カイが……!」


カイは苦笑しながら肩をすくめた。

カイ「まぁ、そうなるかもな。でもな、わかっただけでも儲けもんだろ?」

カイは炎を見つめ、ぎゅっと拳を握った。

カイ「今はその先のことを悩んでる場合じゃねぇ。とりあえず——目の前の敵を倒すことを考えようぜ!」


エリシアは俯いたまま、唇を噛みしめる。

だがカイの明るい声に、ほんの少しだけ表情を和らげた。


リーディ「……カイの言う通りだね。悩むのは後でもいい。まずは生き延びなきゃ」

DCは目を細め、小さく笑った。

DC「まったく……無茶ばっかり。でも、だからこそ私たちのリーダーなんだろうね」


焚火の炎が高く揺らめき、夜空に火の粉を散らした。

決戦の前夜、彼らの胸にはそれぞれ重い想いが残りながらも、心はひとつに結ばれていた。

(^^)/

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