雷鳴の贈り物
(^^)/
山を下りる途中。
カイの腰には、ヴォルトから渡された捻じれたナイフが揺れていた。
羽「ヒヒ、いいもん手に入れたじゃねぇか。風を切る感じ、俺も気に入ったぜ」
左腕「……疾風剣の系統ですね。かつて勇者たちが用いたシリーズ武具の一つ。なるほど、ヴォルトが渡す理由もわかります」
カイ「へぇ、シリーズもんだったのか。俺のダガーだってまぁまぁいいもんなんだぜ? ほら、刃渡りだって長いし」
右腕「そんなナマクラと一緒にするな。切れ味も格も違う」
カイ「うるせぇな……」
口の悪い三部位の声が重なり、カイは頭を抱える。
カイ「ったく……俺の武器にまでケチつけやがって。まぁ、確かに一振りで空気が震えるのはすげぇけどよ」
すっかり日も暮れ、遠くの空に雷が鳴り響いていた。
―――
集落に戻ると、焚き火の明かりに照らされてエリシアたちが出迎えた。
エリシア「おかえり! どうだった?」
カイ「いや、情報はなかったな」
そう言いながら腰のナイフを見せる。
カイ「でもこれ、ヴォルトからもらった。風属性の武器らしい」
エリシア「……え、それってただの武器じゃなくて特別なものなんでしょ? すごいじゃない!」
リーディ「ヴォルトからもらうなんて……やっぱりカイって不思議だなぁ」
そこへ、腕を組んだDCが呆れ顔で口を挟む。
DC「ナイフぅ? そんなもんで浮かれてどうすんのよ。どうせ行ったなら腕の一本でももぎ取ってきなさいよ」
カイ「戦いに行ったんじゃねぇって言ってんだろ!」
DC「ふん、どうだか。まぁ、あんたのしけた剣よりは役に立つんじゃないの?」
エリシアが苦笑いしながら手を打った。
エリシア「まぁまぁ。情報がなかったのは残念だけど、武器をもらえただけでも十分よ。……それに、これからどうするか決めないと」
焚き火を囲んで話し合う四人。
東のヴォルトは敵ではなさそうだが、情報が得られない以上、次の手を考える必要があった。
リーディ「やっぱり……もう一度南に戻るのがいいんじゃない?」
カイ「そうだな。土の悪魔の件も片付いたし、イグニスのところで情報を整理するのも悪くない」
DC「まったく、行ったり来たりで忙しいわね。……でもまぁ、南なら酒と飯はうまかったし、悪くないわ」
エリシアは静かに頷き、焚き火を見つめる。
エリシア「じゃあ決まりね。明日からまた南へ戻りましょう」
カイ「よし、出発だな!」
こうして再び歩みをそろえた四人。
その腰に揺れる一本のナイフは、まだ誰も知らぬ未来の戦いを予感させていた。
(^^)/




