東を目指して
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朝日が昇り、荒野に冷たい風が吹き抜けていた。
小さな集落の一角、カイは剣の柄を肩にかけながら仲間たちと話をしていた。
カイ「さて……ここから、どこを目指せばいいんだろうな」
傍らにいた集落の長老が、ひょいと杖をついて前に出る。
長老「まさか……ヴォルト様と戦うおつもりでは?」
その言葉に場が一瞬静まる。
カイは苦笑して頭をかいた。
カイ「いや、あいつは悪い奴には見えなかったし、できれば戦いたくないんだよな」
長老「ほっ……」
胸をなでおろす長老の姿に、エリシアが小さく微笑んだ。
カイは遠くを見ながらぼやく。
カイ「シュリーデに、もう少し情報を聞いておけばよかったな。……あいつ、集落についた途端に帰っちまうんだから」
ーーー
その前夜、宴の最中。
シュリーデ「あ! 私、北の街で用事思い出したから帰るわね! こんなみすぼらし……いやいや、田舎の村で寝るなんて……いや、とにかく帰るわ! バイバーイ♡」
鉄扇をひらひら振りながら、相変わらずマイペースに毒舌を残し、笑いながら霧のように姿を消したのだった。
ーーー
ジン「……俺もそろそろ行く。世話になった」
短く言い残し、背を向けるジン。
カイは頷きながら声をかける。
カイ「そうか。……気を付けてな」
ジン「……あぁ」
白髪が朝日にきらめき、ジンはそのまま荒野へ消えていった。
ーーー
リーディ「じゃあ、僕たちはどうする? この先、情報が欲しいよね」
エリシア「うん。大きな街へ行ってみるのもいいかも。一番近いのは北……。ちょっと遠回りすれば南もあるけど」
カイ「東の悪魔……ヴォルトともまだちゃんと話してないしな」
その時、丸太に寄りかかっていたDCが盛大に寝息を立てた。
DC「Zzz……むにゃ……※$#……♡」
カイ「……お前は寝るなよ」
リーディがくすっと笑う。
リーディ「でも、ヴォルトにはもう一度会っておいた方がいいんじゃない?」
エリシア「そうね。正面から会話してみれば、案外協力してくれるかもしれないし」
カイは真剣な表情で長老の方を向いた。
カイ「長老、ヴォルトの居場所って分かるかな?」
長老「はい。東の山の山頂に、ヴォルト様の小屋がございます。……とはいえ、近くまで行けばきっと自ら出て来られるでしょう」
カイ「……分かった。じゃあ、俺一人で行ってみるよ」
リーディが眉をひそめて前に出る。
リーディ「一人で? 危険じゃない?」
カイ「大丈夫だ。2、3日で戻ると思う」
エリシア「……本当に気をつけて」
カイ「あぁ。心配すんな」
風が吹き抜け、東の山岳地帯を指し示すように雲が流れていく。
カイは背中の羽を軽く広げ、仲間に笑顔を向けた。
カイ「じゃあ、ちょっと行ってくる」
仲間たちに見送られながら、青年は東の山へと歩を進めた。
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