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悪魔の左腕  作者: 770
93/149

東を目指して

(^^)/

朝日が昇り、荒野に冷たい風が吹き抜けていた。

小さな集落の一角、カイは剣の柄を肩にかけながら仲間たちと話をしていた。


カイ「さて……ここから、どこを目指せばいいんだろうな」


傍らにいた集落の長老が、ひょいと杖をついて前に出る。

長老「まさか……ヴォルト様と戦うおつもりでは?」


その言葉に場が一瞬静まる。

カイは苦笑して頭をかいた。


カイ「いや、あいつは悪い奴には見えなかったし、できれば戦いたくないんだよな」

長老「ほっ……」


胸をなでおろす長老の姿に、エリシアが小さく微笑んだ。

カイは遠くを見ながらぼやく。


カイ「シュリーデに、もう少し情報を聞いておけばよかったな。……あいつ、集落についた途端に帰っちまうんだから」


ーーー


その前夜、宴の最中。


シュリーデ「あ! 私、北の街で用事思い出したから帰るわね! こんなみすぼらし……いやいや、田舎の村で寝るなんて……いや、とにかく帰るわ! バイバーイ♡」


鉄扇をひらひら振りながら、相変わらずマイペースに毒舌を残し、笑いながら霧のように姿を消したのだった。


ーーー


ジン「……俺もそろそろ行く。世話になった」


短く言い残し、背を向けるジン。

カイは頷きながら声をかける。


カイ「そうか。……気を付けてな」

ジン「……あぁ」


白髪が朝日にきらめき、ジンはそのまま荒野へ消えていった。


ーーー


リーディ「じゃあ、僕たちはどうする? この先、情報が欲しいよね」

エリシア「うん。大きな街へ行ってみるのもいいかも。一番近いのは北……。ちょっと遠回りすれば南もあるけど」

カイ「東の悪魔……ヴォルトともまだちゃんと話してないしな」


その時、丸太に寄りかかっていたDCが盛大に寝息を立てた。

DC「Zzz……むにゃ……※$#……♡」


カイ「……お前は寝るなよ」


リーディがくすっと笑う。

リーディ「でも、ヴォルトにはもう一度会っておいた方がいいんじゃない?」

エリシア「そうね。正面から会話してみれば、案外協力してくれるかもしれないし」


カイは真剣な表情で長老の方を向いた。

カイ「長老、ヴォルトの居場所って分かるかな?」

長老「はい。東の山の山頂に、ヴォルト様の小屋がございます。……とはいえ、近くまで行けばきっと自ら出て来られるでしょう」


カイ「……分かった。じゃあ、俺一人で行ってみるよ」


リーディが眉をひそめて前に出る。

リーディ「一人で? 危険じゃない?」

カイ「大丈夫だ。2、3日で戻ると思う」


エリシア「……本当に気をつけて」

カイ「あぁ。心配すんな」


風が吹き抜け、東の山岳地帯を指し示すように雲が流れていく。

カイは背中の羽を軽く広げ、仲間に笑顔を向けた。


カイ「じゃあ、ちょっと行ってくる」


仲間たちに見送られながら、青年は東の山へと歩を進めた。

(^^)/

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