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悪魔の左腕  作者: 770
9/92

はじめてのおつかい

(^^)/

次に訪れたのは商人の町「ヴァルマルク」。

露店がひしめき合い、荷馬車の行き交う活気に満ちた町である。


カイ「俺はギルドで資金を稼いでくる。エリシアは食料、DCは薬品の材料を」

エリシア「リーディにはお小遣いを渡すから、買い物をしてみなさい」

リーディ「やった! ボク一人で買い物!」


嬉々として町を歩くリーディに、一人の男が声をかけた。


男「お嬢ちゃん、この腕輪なんてどうだ? 大切な人への贈り物に」

リーディ「大切な人……エリシアにあげようかな! お小遣いもあるし!」

男「いい心がけだ。おまけにこのネックレスもつけてやるよ」

リーディ「ボクは男だ! ……でもくれるなら、もらっとくね!」


――しかし、その瞬間。


リーディ「うわっ……!」

電撃が体を走り抜ける。麻痺の呪いがかけられたネックレスだった。


男「残念でしたー! 金も品もいただきだ!」


すべてを奪われ、泣きそうな顔で宿に戻ったリーディ。


リーディ「ごめん、エリシア……全部、取られちゃった……」

カイ「チッ、ふざけやがって!」

エリシア「無事で帰ってきただけで十分よ」


その夜。

詐欺師のアジトで、男は仲間に笑い話をしていた。


男「こんなガキから楽に巻き上げてきたぜ!」

仲間「今時そんな手に引っかかるやついるのか?」


――その瞬間、窓が粉々に砕け、暴風が吹き荒れる。

気づけば、金も品も、全てが跡形もなく消えていた。


翌朝。

リーディが目を覚ますと、枕元には昨日の買い物袋と小遣いの残り、そして机の上には金貨の山。


リーディ「な、なんで……?」


一方その頃、宿屋の屋上。

DCは空を眺めながら、手のひらに一つの魔石を転がしていた。


DC「コソ泥のくせに、いい魔石持ってるじゃない。……これでベリーの借りはなしよ、子犬」


にやりと笑うその横顔は、朝焼けよりも紅く輝いていた。

(^^)/

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