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悪魔の左腕  作者: 770
89/149

禁忌の口を開く者

(^^)/

雷鳴が絶え間なく落ちる山岳地帯。

稲光に照らされたその場で、レオニスがフィオラの亡骸を見て、低く呟いた。


レオニス『……フィオラ。お前はいい相棒だったよ』


その声は、悲哀に満ちているようで、同時に歪んだ熱を帯びていた。

レオニスは剣を掲げ、神聖な詠唱を紡ぐ。


レオニス『――転生魔法《天魂抱擁エンブレイス・オブ・セラフィム》』


白光が爆ぜる。

フィオラの亡骸から魂が抜け出し、流星のようにレオニスの右腕へ吸い込まれていく。


一瞬後――まばゆい光が弾け、彼の右腕はより洗練された純白の鎧と化した。

禍々しさすら纏う美。


レオニス『……さすがは“三部位持ち”の天使だ。よく馴染む』

その声音は、もはや戦士ではなく、怪物のものだった。


カイ「……あいつ、仲間を取り込みやがった……」

ジン「……天使教の転生魔術だ。部位持ちの魂を掛け合わせ、より強き天使を作り出す秘術……」

ジンは悔しげに唇を噛み、ちらりとエリシアに視線を送る。

ジン「見ての通り、魂を奪われた部位保持者は死ぬ。……次は、その女が狙われるだろう」


エリシアは小さく肩を震わせる。

リーディ「でも……どうしよう……あいつ、すごい魔力だよ……!」


そのとき、重い声が響いた。

ヴォルト「隙が無いわけでもない……。ならば、私が先陣を切ろう」


稲光を纏い、ヴォルトが駆け出す。

蹄が岩を砕き、黄金の双槍が走ると同時に、四方八方に無数の残像が広がった。


ヴォルト「――“雷槍閃牙ライソウ・センガ”!!」


十を超える突きが同時に放たれる。

しかし――


レオニス『……流石に早い。四大悪魔と数えられるだけはある。だが――!』

彼の右腕が光に包まれ、天地を覆う光刃が放たれる。


レオニス『“光天裁断コロナ・エクシジョン”!!』


轟音と共に閃光が走り、ヴォルトの残像を一掃する。

ヴォルト「くっ……!」

一撃をかわしつつも、たまらず後退するヴォルト。


追撃を阻むように、DCが両腕を広げた。

背後に浮かんだ魔法陣は幾重にも連なり、赤・青・紫と色を変えていく。


DC「……ッ、来させるわけないでしょ! “複合陣・連環”!」


光と闇、炎と氷、爆裂と束縛。

彼女の放つ無数の魔法が壁となり、レオニスの追撃を食い止める。


だがその額には汗が滴り、肩で息をしていた。


DC「はぁ、はぁ……これじゃ、さすがに……もたない……」


ちらりと横目で見るのは――腰に下げられた最後の部位。

漆黒の金属のような「悪魔の顎」。


カイ「DC、無理するな!」

リーディ「おい! それだけじゃ防ぎきれない!」

ジン「……くそっ、押し返せねぇ……!」


それぞれが追い詰められていく中で――

DCは唇を噛み、血をにじませた。


DC「……もう! どうなっても知らないから!!」


一気に腰の部位を掴み、己の顔に当てはめる。

漆黒の顎が肉に喰い込み、DCの口元が異形へと変貌していく。


魔力が渦巻き、嵐のように周囲を蹂躙した。

その中心に立つDCは、すでに“人間”の気配ではなかった。


DC「これはい「※#$””*&……」


無数の言葉を、一度に、重なり合うように吐き出す。

「ブリザ」「魔じ」「複数の」「@%」――意味を成さぬ断片が幾重にも重なり、天地そのものが震え始めた。


DCの周囲で空間が軋み、魔力が振動する。

石が割れ、大気が揺れ、天雷すらかき消される。


DC「サぁ……$#といこ””>@――!!」


その声は、呪いであり、命令であり、世界を塗り替える詠唱だった。

異様な光が彼女の体を包み込み、誰もが息を呑んだ。


カイ「……DC……お前……」

リーディ「嘘だ……」

ヴォルト「……これが……無詠唱の顎か……」


――そして、禁忌の口を開いた少女が、レオニスへと歩み出した。

(^^)/

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