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悪魔の左腕  作者: 770
88/149

共闘の刻

(^^)/

焦げた岩肌に稲光が走り、風が荒れ狂う山岳地帯。

黒煙と光の奔流が交錯する戦場で、ひとりの青年がゆっくりと瞼を開けた。


ジン「……っ」


かすむ視界の先に、淡い金色の光があった。

自分の傷に光を注いでいた少女――エリシアだった。


エリシア「気が付いた!? よかった……! でも、ごめんね、あっちに戻るね!」


慌ただしく駆け出し、仲間のもとへ戻っていくエリシア。

その背中を、ジンは呆然と見送った。


ジン「……くっ……」


カイとリーディは顕現状態で雷鳴に抗い、DCは両足からあふれ出す膨大な魔力で網のように援護している。

そしてエリシアが再び光の魔力を展開した。


エリシア「ごめん! フォロー入るね!」

DC「彼は? もう大丈夫なの?」

エリシア「うん、平気!」


ジン「……」

心の奥で、苦い声がこだまする。


ジン(……あいつら、何度も俺に襲われて……命を狙われて……それでも……俺を助けた……)


砂利を踏みしめる足音が響く。

ザッ……ザッ……ザッ……。

歩み寄るジンに、DCが振り返った。


DC「?……悪いけど、あんたの相手してる余裕はないわ!」

彼女の背後には巨大な魔法陣。赤い魔力が螺旋を描き、空気が焼ける。

DC「天使教に負けたら、仲間が連れてかれる……今はそっちが最優先なのよ!」


ジンは立ち止まり、深く息を吐いた。

ジン「……俺はもう……お前らを襲わない」


そして翼も持たぬ体で、風を裂くように飛び立った。


雷鳴が轟く。

レオニス『終わりだ!――“聖域斬・光天断”!』


光の剣技が大地を割り、範囲ごと切り裂く閃光が仲間へ迫る。

カイ「やべぇ! リーディ!」

リーディ「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!」


――その瞬間、鋼を砕く衝撃音が響いた。

「ガキィィンッ!」

光の奔流を正面で止めたのは、ジンだった。


レオニス『!?』

ジンの瞳にはもう迷いはない。


ジン「……魔人化――“邪崩顕現”!」


その声と同時に、左腕の悪魔化が逆流するように肘から手首まで退いていく。

代わりに雷と闇が渦巻き、黒い稲妻が迸った。


ジン「喰らえ――“雷閃黒滅光”!!」


放たれた黒き光線は夜を裂く流星のように一直線に走り、レオニスの右腕を貫通。

さらに背後に控えていたフィオラの胸も撃ち抜いた。


レオニス『なにっ!? だがこれしきで――!』

フィオラ「……きゃっ……!」

二人の姿が同時に揺らぎ、光の羽が千切れるように散った。


レオニスは落ちゆく右腕から慌てて太陽剣を掴み取る。

落ちていく片腕と、意識を失って崩れ落ちるフィオラ。


ジンは歯を食いしばり、血の匂いを纏いながら吠える。

ジン「……一気に倒すぞ!」


カイは顎を引き、剣を構えた。

カイ「……とりあえず停戦ってことだな! まずは天使からやっちまおう!」


その背後、黒い雷雲のような影が歩み出る。

稲光を纏った蹄が大地を踏み砕き、黄金の双槍が振り下ろされる。


ヴォルト「……魔界の秩序のために……一時的に手を貸そう」


その言葉に、ジンは振り向き、鋭い視線をぶつける。

ジン「……!? ……信用できるのか?」


カイは肩で笑った。

カイ「ん? あぁ……たぶんな!」


互いに信じきれぬまま、しかし敵は同じ。

稲光と光の奔流の中、悪魔と人間と天使が、最悪の戦場で相まみえる。

(^^)/

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