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悪魔の左腕  作者: 770
82/149

血が騒ぐ夜

(^^)/

月明かりに照らされた村のはずれ。

焚火の賑わいも遠ざかり、虫の声と風の音だけが響いていた。


カイは草の上に腰を下ろし、吐く息を夜空に向けた。


カイ「この村も……もうずいぶん長い間世話になってるなぁ」


背後から重い足音。


イグニス「よぉ、カイ」


カイ「ん? あぁ、イグニスか。……もう酒盛りは終わったのか?」


肩をすくめながら、横に腰を落とすイグニス。

その目は笑っていたが、奥に隠した炎がちらついている。


イグニス「あぁ。……それよりもだ。お前、ここに来て一年足らずだが、随分強くなったよな。最初は瘴気に酔ってフラフラしてるひよっこだったのにな!」


カイは鼻で笑い、背中を伸ばした。


カイ「ははっ、確かに。あの頃と比べりゃ、今は別人だな。イグニスには感謝してるよ」


イグニス「そうかそうか。なら……何かお礼でもしてもらおうかな」


カイ「なんでもするぜ? 困ったことでもあるのか?」


その一言に、イグニスの口元が獰猛に歪んだ。


イグニス「俺と戦ってくれるか? カイ」


一瞬、空気が凍る。

次の瞬間、ざわつく風が草原を揺らし、重苦しい魔力が溢れ出した。


カイ「えっ……どういう……」


イグニス「ここは村のはずれだ。みんなを巻き込む心配はねぇ。……全力でいける」


その身から立ち上る魔力は炎の竜巻のように夜を焦がす。

槍の穂先が月光を反射し、火花のように瞬いた。


カイ「まじかよ……!」


思わず距離をとるカイ。

心臓が高鳴り、背中の羽がざわめく。


イグニス「別にお前を殺したいわけじゃねぇ。だがな……血が騒ぐんだ! 強えぇやつを見ちまうとな!」


全身から溢れる闘志に、夜の草原が軋む。


イグニス「——行くぜぇッ!」


荒れ狂う炎の気配と共に、夜の模擬戦が幕を開けた。

(^^)/

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