魔王の片鱗
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瓦礫に覆われた城の広間に、仲間たちの声が響いた。
その瞬間――空を裂くような轟音。
バリバリバリッ!!
稲妻が落ち、砂煙が視界を覆う。
眩い閃光の中から、一人の影が歩み出た。
ジン「……今度はまともな部位を持ってるな。よこせ」
銀白の髪が風に舞う。片翼を広げたその姿に、場の空気が凍り付いた。
カイは一歩前に出る。剣を構え、仲間を背に隠すように立ちはだかった。
カイ「ここは譲らない……絶対に」
羽「ヒヒ……強がってんじゃねぇ! 急いで左腕を治せ!」
必死に腕を探そうとしたカイだが、その刹那――。
ジンの影が、雷鳴と共に迫る。
だが、突然その動きが止まった。
ジン「……!?」
視線を向けると、そこには鮮烈な魔力の奔流を放つDCが立っていた。
その両足は漆黒に染まり、禍々しい悪魔のオーラが渦を巻く。
DC「ごっめーん☆ やばいと思って、足つけちゃった♡」
不敵に笑うDCの周囲で、空気が震えている。
仲間たちすら圧倒されるその魔力――。
カイ「ったく……お前は……! でも助かったよ!」
左腕を拾い上げると、ジュゥッと音を立てながら肉体に再び接合される。
さらに転がる右腕をも装着し――。
ゴゴゴゴゴッ!!
空気が震え、地が唸る。
カイの身体を中心に、常軌を逸した魔力の流れが爆発的に迸った。
その瞳が赤黒く染まり、声が低く響く。
カイ『人間にしちゃあ、なかなかいいもん持ってんじゃねぇか……ヒヒ。これじゃあ、あのドミナスのガキと同じだな』
ジン「……っ!」
体を縛り付けるように絡みつく魔力の拘束。
ジンは苛立ちに顔を歪め、それを力で破り捨てた。
ジン「チッ……こんなもんで止まるか!」
翼を広げ、再び斬りかかる。
しかし――
カイ『消えてろ』
冷徹な一言と共に、周囲に空間魔法の紋様が広がる。
光の渦がジンを絡め取り、彼の体を飲み込んでいく。
ジン「チッ……またかよ!」
叫びと共に姿をかき消すジン。
カイ『……東の果ての地にでも送っておくか』
ふっと、重苦しいオーラが弾け散った。
悪魔化していた両手は人間の姿に戻り、カイはその場に崩れ落ちる。
エリシア「カイ! 大丈夫!?」
駆け寄ったエリシアが、必死に抱き起こす。
カイ「あぁ……大丈夫だよ。まだ、立てる……」
その背後で、柔らかな声が響いた。
シュリーデ「ふふっ、あんた……すごいじゃない。今の魔力、完全に4大悪魔クラスだったわよ?」
カイ「……!? シュリーデ!」
驚いたように振り返り、やがて息を吐き出す。
「……そっか。エリシアを守ってくれたのか。ありがとう」
シュリーデはわずかに微笑み、鉄扇を軽く鳴らした。
シュリーデ「礼なんていいわよ。セレナの弟子だから助けただけ。それ以上でも、それ以下でもないの」
カイを囲むように仲間たちが集まる。
焦りも、緊張も、安堵も、すべてが入り混じったその空間で――。
彼らの絆は、確かにまた一段と強くなっていた。
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