果実の夜
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森の中、再び野営の支度をする四人。
焚き火の横ではリーディが器用に草をより分け、キノコを切り、川魚を串に刺して焼いている。
カイ「相変わらず手際がいいな。お前がいなかったら干し肉ばかりだったぜ」
エリシア「本当に助かるわ、リーディ」
リーディは嬉しそうに鼻をピクリと動かした。
リーディ「えへへ。鼻が利くのは獣人の特権だしね!」
しかし、その横で腕を組んでぷいと顔をそらすDC。
エリシア「DCは食べないの?」
DC「野菜は嫌い。魚も嫌い。果物なら食べる」
カイ「わがままだなぁ。近くに果物なんてないんだぞ」
リーディ「仕方ないよ、食べなきゃ死んじゃうって」
DC「嫌なものは嫌!」
――半分駄々っ子のように、DCは頑として手をつけなかった。
その夜。
空腹で寝付けないDCがテントから顔を出すと、背後でがさごそと音がした。
DC「……だれ?」
振り向くと、泥まみれのリーディが果物を山ほど抱えて立っていた。
リーディ「仕方ないから探してきてあげたよ!」
DC「なんてばっちぃ子犬なの!」
DCは思わず水魔法をぶつけ、泥を洗い流してやった。
リーディ「ぷはっ……冷たいってば!」
やがてリーディは疲れて眠りについた。
その隣で、夜空を見上げながらベリーをかじるDC。
DC「……フフッ」
その笑みは、焚き火の赤よりも柔らかかった。
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