ドミナス消滅
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カイ「ぐあぁぁぁぁぁぁ!」
切り口から血が噴き出し、視界が赤く滲む。全身に走る痛みに膝を折りながら、カイは必死に床を這った。
羽「落ち着け、カイ……! 腕を拾いやがれ。ヒヒ……すぐにくっつくぜぇ」
床に転がる自分の左腕。
歯を食いしばり、震える右手を伸ばすカイ――しかし、その瞬間。
ドミナス「……そういえば、腕がどうとか言っておったな」
ドミナスがゆっくりと左腕を掴み上げた。
その不気味な顔に嗜虐の笑みを浮かべ――
ドミナス「ふむ……なかなか悪くない部位のようだ」
次の瞬間、腕ごと口に含み、豪快に飲み込んだ。
カイ「……!? やめろ!」
羽「ヒヒヒヒ……あーあ、やっちまったな」
ドミナスの巨体が震え始める。
腹部から紫の光が漏れ、やがて全身へと走った。
ドミナス「ぐっ……うぉぉぉぉぉぉ……!」
膝をつき、内側から焼かれるようにのたうつ。
カイ「な、何が起こってるんだ……!?」
羽「ヒヒ……わかんねぇのか? あいつは“魔力吸収”の貴族だぜ? テメェの魔力食った時点で、プライドはズタズタ。……ましてその腕を呑み込んだらどうなるか、想像つくだろ?」
カイ「……!?」
ドミナス「ぐわああぁぁぁっっ!」
体中から黒煙が噴き出し、皮膚が爛れ、骨まで砕けていく。
羽「自分より格上の魔力を取り込んだ……そりゃあ、器が耐え切れるわけねぇよなぁ、ヒヒヒヒ!」
最後の絶叫と共に、ドミナスの巨体は蒸発するように消え去った。
重苦しい瘴気だけが残り、玉座の間には静寂が広がる。
カイは呆然と立ち尽くした。
そこには、転がる三つの部位――自らの左腕、さらに右腕、そして下顎。
カイ「……っ」
羽「ボサッとしてんじゃねぇ! さっさと腕を拾いやがれ、カイ! ここで立ち止まる余裕なんざねぇんだぞ!」
震える手を伸ばそうとしたその時――
「カイーーー!」
遠くから仲間たちの声。
エリシアとリーディが、必死に瓦礫を踏み越えこちらへ走ってくる。
カイの胸にわずかな安堵が広がった瞬間、視界の端で、まだ揺れる黒煙が不気味に揺らめいた。
――闘いは、終わってはいなかった。
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