悪魔の囁き
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あれから——俺の中では、ずっと声が響いている。
ただ、うるさくて頭が割れそうってほどじゃない。
むしろ……妙に落ち着いてきている自分がいる。
羽「でよぉ、ヒヒ、人間ってのは飯に命かけてる奴らもいてよぉ」
左腕「人間の世界では“三大欲求”というものに分類される欲望ですしね。理解はできませんが……まぁ、否定はできません」
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羽「どうでもいいだろそんなこと。フヒヒ、俺が息子って言えば息子なんだよ!」
左腕「……羽殿、血縁関係をそうやって軽々しく言うものではありません。私は“子供”ではなく、“子孫”と表現するのが正しいでしょう」
羽「クソ真面目だなお前は。ヒヒヒ」
カイ(心の声)「……やれやれ、羽と左腕、こいつらの性格は正反対だな。片方は雑で、片方は細かすぎる」
——とはいえ、雑談だけじゃない。
二人の声は時折、戦いの最中に俺を導いてくれる。
左腕「カイ、その魔獣の弱点は背中です。よく狙いなさい」
羽「そんなまどろっこしいことすんな!両断しちまえば関係ねぇ!」
左腕「……そのような戦法ができるのは“あなただけ”です。雑魚には雑魚なりの戦い方があるのですよ」
羽「ヒヒ、ほらなカイ?アイツの言うことは半分悪口だから気にすんな」
カイ「はぁ……もうちょっと仲良くしてくれないか」
左腕「それと……私の力について少し説明しておきましょう。現在あなたが発揮できるのは“魔力吸収”のみ。残りの……●●●●と……●●●●……はまだ使えません。聞き取れませんか? それで構いません。しっかりと魔力の流れを意識するのです」
羽「ヒヒ、わざと聞き取れねぇようにしてやがるんだ。焦らすのが趣味なんだろ」
左腕「誤解です。ただ、未熟な状態で力を解放すれば死にますからね」
カイ「……死ぬって、さらっと言うなよ」
——そうやって心の奥で言葉を交わしながらも、俺の体は戦場を駆けていた。
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瘴気の城、その最上部。
土の悪魔、ドミナスが玉座のような石の椅子に腰を掛け、にやりと笑った。
ドミナス「ほう……空間魔法を破るか。貴様が一団の首領といったところかの」
カイ「首領だなんて、買いかぶりすぎだろ……」
目にも止まらぬ速度で駆け抜け、すれ違いざまに斬撃を走らせる。
大地が裂け、石壁が崩れる。
カイ「俺はな……みんなの中で一番弱いんだぜ」
言いながらも剣先は確かにドミナスを捉えていた。
土煙の中で、ドミナスは低く唸り、口角を吊り上げる。
ドミナス「……ほぅ」
空気が張り詰める。
次の瞬間、巨悪と少年の全力の戦いが幕を開けようとしていた。
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