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悪魔の左腕  作者: 770
71/149

光と死のはざま

(^^)/

空間魔法の渦に飲み込まれたエリシアの視界が、闇に切り裂かれるように開けた。

次の瞬間、彼女の足元には黒い石畳。周囲は荒れ果てた戦場のようで、瘴気が川のように流れていた。


エリシア「……ここは……」


振り返ると、ずらりと並んだゾンビ騎士たち。

錆びた鎧をまとい、虚ろな眼窩から冷たい光を放つ彼らは、整然と剣を構えている。

その先頭に立っていたのは、漆黒の甲冑を纏う大男だった。


ヴァルター「我が名はヴァルター。ドミナス様に忠誠を誓う騎士にして屍の将。……光の小娘よ、ここがお前の墓場だ」


エリシアは一歩後ろへ下がる。心臓が速く打ち始めるのを自覚した。


エリシア「また物量で押してくるつもりね……でも、今さら怖じ気づいたりしない」


彼女は杖を掲げると、光の結晶がぱらぱらと宙に舞った。


エリシア「《ルクス・バリア》!」


光の障壁が展開し、迫り来るゾンビ騎士たちの剣を次々と弾き飛ばす。

だが次の瞬間、ヴァルターが低く号令をかけた。


ヴァルター「屍兵ども、再起せよ!」


倒れたはずのゾンビたちが骨を軋ませながら立ち上がる。

頭を砕かれても、胴を両断されても、再び剣を握り、進軍を止めない。


エリシア「そんな……きりがない!」


彼女は必死に光魔法を放つ。


エリシア「《ルクス・インパクト》!」


眩い閃光が炸裂し、数十体のゾンビをまとめて吹き飛ばした。

けれど、その後ろからさらに倍の数が歩みを進めてくる。


ヴァルター「光は美しい……だが、死は必ずその先にある」


ヴァルターの両腕が闇に包まれ、地面が黒い沼と化した。

そこからは無数の腕が伸び出し、エリシアを掴み取ろうと蠢く。


エリシア「きゃっ……!」


光の盾を展開しても、次々と絡みついてくる影の手に防御が削られていく。

さらにはヴァルター自身が闇を纏った大剣を振りかざし、盾を叩き割らんと迫る。


エリシア「……まずい……!」


頭では理解していた。光は闇を打ち消せる。けれど、数と執念に勝てない。

息が荒くなり、額に汗が滲む。


エリシア(心の声)「このままじゃ、押し切られる……!」


絶体絶命の瞬間。

彼女の胸元に下げられた黒い水晶のネックレスが、ひび割れる音を立てた。


ぱきん、と砕けた瞬間、漆黒の霧が溢れ出す。

それは瘴気のようでいて、どこか艶やかな冷たさを伴っていた。


エリシア「え……?」


その霧の中心から、長い蛇の髪を揺らし、艶やかな笑みを浮かべる女が現れる。


???「あらあら……なにこの数。女の子ひとりにこの物量? 男のくせに情けないわねぇ」


ヴァルターは驚愕し、大剣を構え直す。


ヴァルター「まさか……北の大悪魔……シュリーデ!」


その名が告げられた瞬間、エリシアの背筋に寒気が走った。

(^^)/

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