死者の城へ
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イグニスの村を出発する朝。
村の門前で、大槍を肩に担ぐイグニスが最後の忠告を与える。
イグニス「ドミナスがいろんな魔法を使えるのは土や死の力じゃねぇ。……無理やり他所の部位を体に詰め込んでるからだ」
カイ「……部位を無理やり、か」
エリシア「そんな……」
イグニス「体を削り、魂を削ってでも欲に取り憑かれてる。あのジジィの執念は常軌を逸してるぜ」
子供たちの声援を背に、カイたちは西の荒野を越え、死者の都へと向かう。
数日後、重苦しい瘴気に包まれた街に到着した。
石畳は割れ、城壁は崩れ、辺りにはゾンビが群れをなして彷徨っている。
その中心に聳えるのは、黒々とした塔のような城。
リーディ「……ひどいね。立ってるだけで骨がきしむよ」
DC「ゾンビの実験場ってところね。ふふ、気分が上がるわ」
カイ「気を引き締めろ。最上階まで行くぞ」
血戦を繰り返し、城の最上部、玉座の間へ。
そこに座していたのは、緑灰色の肌に禍々しい鎧を纏った巨躯——土の悪魔、ドミナス。
周囲には瘴気が渦巻き、立っているだけで息苦しくなる。
ドミナス「小さき者どもよ……よくぞ我が根城まで来たな。だが、ここまでだ」
その腹部が不気味に光を帯び、空間が裂ける。
幾重にも重なる魔方陣が現れ、四人を飲み込もうとした。
エリシア「きゃっ——!」
リーディ「くそっ、体が引きずられる!」
DC「空間魔法……!」
瞬間、エリシア、リーディ、DCの姿は光に呑まれ、弾き飛ばされていく。
ただひとり——カイだけが残っていた。
カイ「……っ!」
左腕が淡く輝き、周囲に漂う魔力陣を吸い尽くすように消し去ったのだ。
空間の裂け目は破裂音とともに掻き消え、静寂が訪れる。
ドミナス「……ほう?」
カイ「みんなは飛ばされただけみたいだな。だが、俺は……ここに残る」
玉座から立ち上がるドミナス。
その巨体が放つ圧力に、カイは剣を握り締める。
ドミナス「面白い……左腕か。その力……やはり“異物”よな」
カイ「何を知っている?」
ドミナス「ふふふ……いずれわかることだ」
玉座の間に、二人の気配だけが残る。
仲間は幹部との戦場へ飛ばされ、今ここには、王と挑戦者が対峙していた。
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