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悪魔の左腕  作者: 770
69/149

左腕の覚醒

(^^)/

訓練場にて。

イグニスは大槍を肩に担ぎ、カイを真っ直ぐに見据えた。


イグニス「なぁお前ら……北の町で手に入れたって部位、どうするつもりだ?」


カイは視線を落とし、口を引き結ぶ。


カイ「……正直、まだ悩んでる。部位をつければ強くなれるのはわかるけど……本当に大丈夫なのかって……」


イグニスは眉をひそめ、豪快に鼻を鳴らす。


イグニス「バカ野郎! どうせピンチになったらつけるんだろ? だったら今つけて馴染ませとけ!

 戦いの最中に迷ってたら命がねぇぞ!」


その言葉にカイは拳を握りしめる。

だが次の瞬間、頭の奥に不気味な声が響いた。


羽 『ヒヒ……俺のだ……絶対につけろ……左腕は……俺のもんだぁぁ!』


カイはこめかみを押さえ、顔を歪める。


カイ「……羽が、騒いでる……」


それを聞いたDCが勢いよく立ち上がった。


DC「はいはいっ! じゃあアタシがやる! 本物の部位! 研究するのも使うのもアタシが一番でしょ!」


リーディ「また始まった……」

エリシア「ほんとに大丈夫なの、DC?」


DC「大丈夫に決まってるでしょ! だってアタシだよ!? ねぇ、やらせなさいってばぁぁ!」


だがイグニスはきっぱりと断じた。


イグニス「ヒマワリはいらねぇだろ、どう考えても近接戦闘系の魔力だぜ?カイがつけろよ。」


カイは深呼吸し、ついに決断する。

ゆっくりと左腕に部位を装着した瞬間——爆発音と共に魔力が弾け、訓練場が揺れた。


エリシア「っ!? な、何この魔力……!」

リーディ「重い……体が震える……」

DC「ウソでしょ……これ、本当にカイ……?」


黒い羽が大きく広がり、カイの口元が歪む。


カイ『フヒヒ……やっぱり魔界の空気はうめぇなぁ……なぁ?イグニス』


名を呼ばれた瞬間、イグニスの全身が本能的に硬直した。

冷たい悪寒が走り、思わず槍を握り直す。


イグニス(心の声)「な、なんだこの気配……! 敵意は抑えてるはずなのに……体が勝手に戦闘態勢をとってやがる……!」


カイはにたりと笑い、わざと挑発的に腕を広げた。


カイ『ヒヒヒヒ……そういきり立つなよ。俺は敵意なんてねぇ……

 てか、こんな“魔力もねぇ状態”でやるわけねぇだろ。フフヒ……』


イグニスは目を見開く。


イグニス(心の声)「魔力がねぇ……だと? 嘘つけ……この圧、もうすでに4大悪魔クラスじゃねぇか……!」


カイは空を仰ぎ、翼をはためかせた。


カイ『フフヒ……久しぶりに外に出れて、楽しかったぜ……じゃあな』


次の瞬間、力が抜けたようにカイの目が戻り、その場に崩れ落ちた。


エリシア「カイっ!」

リーディ「しっかりして!」

DC「こらぁ!何寝てんのよ!もっと魔力見せなさいよ!」


イグニスは槍を構えたまま動けず、額を汗が伝う。


イグニス(心の声)「……今のは……一体なんだったんだ……」


倒れたカイを仲間たちが囲む中、黒き羽根の影が訓練場に長く伸びていた。

(^^)/

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