左腕の覚醒
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訓練場にて。
イグニスは大槍を肩に担ぎ、カイを真っ直ぐに見据えた。
イグニス「なぁお前ら……北の町で手に入れたって部位、どうするつもりだ?」
カイは視線を落とし、口を引き結ぶ。
カイ「……正直、まだ悩んでる。部位をつければ強くなれるのはわかるけど……本当に大丈夫なのかって……」
イグニスは眉をひそめ、豪快に鼻を鳴らす。
イグニス「バカ野郎! どうせピンチになったらつけるんだろ? だったら今つけて馴染ませとけ!
戦いの最中に迷ってたら命がねぇぞ!」
その言葉にカイは拳を握りしめる。
だが次の瞬間、頭の奥に不気味な声が響いた。
羽 『ヒヒ……俺のだ……絶対につけろ……左腕は……俺のもんだぁぁ!』
カイはこめかみを押さえ、顔を歪める。
カイ「……羽が、騒いでる……」
それを聞いたDCが勢いよく立ち上がった。
DC「はいはいっ! じゃあアタシがやる! 本物の部位! 研究するのも使うのもアタシが一番でしょ!」
リーディ「また始まった……」
エリシア「ほんとに大丈夫なの、DC?」
DC「大丈夫に決まってるでしょ! だってアタシだよ!? ねぇ、やらせなさいってばぁぁ!」
だがイグニスはきっぱりと断じた。
イグニス「ヒマワリはいらねぇだろ、どう考えても近接戦闘系の魔力だぜ?カイがつけろよ。」
カイは深呼吸し、ついに決断する。
ゆっくりと左腕に部位を装着した瞬間——爆発音と共に魔力が弾け、訓練場が揺れた。
エリシア「っ!? な、何この魔力……!」
リーディ「重い……体が震える……」
DC「ウソでしょ……これ、本当にカイ……?」
黒い羽が大きく広がり、カイの口元が歪む。
カイ『フヒヒ……やっぱり魔界の空気はうめぇなぁ……なぁ?イグニス』
名を呼ばれた瞬間、イグニスの全身が本能的に硬直した。
冷たい悪寒が走り、思わず槍を握り直す。
イグニス(心の声)「な、なんだこの気配……! 敵意は抑えてるはずなのに……体が勝手に戦闘態勢をとってやがる……!」
カイはにたりと笑い、わざと挑発的に腕を広げた。
カイ『ヒヒヒヒ……そういきり立つなよ。俺は敵意なんてねぇ……
てか、こんな“魔力もねぇ状態”でやるわけねぇだろ。フフヒ……』
イグニスは目を見開く。
イグニス(心の声)「魔力がねぇ……だと? 嘘つけ……この圧、もうすでに4大悪魔クラスじゃねぇか……!」
カイは空を仰ぎ、翼をはためかせた。
カイ『フフヒ……久しぶりに外に出れて、楽しかったぜ……じゃあな』
次の瞬間、力が抜けたようにカイの目が戻り、その場に崩れ落ちた。
エリシア「カイっ!」
リーディ「しっかりして!」
DC「こらぁ!何寝てんのよ!もっと魔力見せなさいよ!」
イグニスは槍を構えたまま動けず、額を汗が伝う。
イグニス(心の声)「……今のは……一体なんだったんだ……」
倒れたカイを仲間たちが囲む中、黒き羽根の影が訓練場に長く伸びていた。
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