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悪魔の左腕  作者: 770
68/149

女子会の午後

(^^)/

村の中央にある小さな茶屋。

外ではイグニスの大声と爆音が響き渡っていたが、店内は別世界のように穏やかだった。


湯気の立つ茶器を前に、DCが椅子にふんぞり返ってため息をつく。


DC「……ったく、男どもはまだやってんの?もう2か月は経つわよ? どんだけ同じこと繰り返すのよ」


隣で涼しい顔をして茶を口にするアナスタシアが微笑む。

彼女の腕にはまだ幼いアマラが抱かれている。


アナスタシア「まぁまぁ。魔界生まれじゃない彼らには、一番の難関かもしれないわねぇ。

瘴気と魔力の融合なんて、私たちにとっては自然なことでも、彼らには未知の感覚だもの」


エリシア「……そういえば、私たち結構長い間ここにいるけど……全然土の悪魔も攻めてこないのね」


エリシアは窓の外に視線を向ける。外では砂煙を上げながら、カイとリーディが必死にイグニスに挑んでいた。


アナスタシアは少し考え込み、紅茶を揺らした。


アナスタシア「それもね……私たちの寿命のせいかもしれないわね。

私たち悪魔にとって一年や十年なんて誤差。攻め込むのも待つのも、ほんの一瞬のことよ」


DC「……いいわね、そういう時間感覚。研究し放題じゃない」

目を輝かせてカップを掲げる。


すると反対側で黙って茶菓子をつまんでいたリリアナが、口を尖らせた。


リリアナ「でもそのせいで、こっちは待たされる側なのよ? あたしなんて毎日、弟たちの世話と訓練のサポートで大忙し。お茶飲む暇だってやっとなのに!」


エリシア「ふふ、リリアナちゃんはしっかり者だもの。弟たちも安心してるよ」


リリアナ「……べ、別にそんなつもりは……」

耳まで赤くなり、慌てて茶菓子を口に放り込む。


DCがにやりと笑う。


DC「へぇー? “しっかり者”って褒められて照れるんだ? あんた意外とかわいいわね」


リリアナ「か、かわいくないっ!」


アナスタシアはそんな二人を眺めながら、くすりと笑った。


アナスタシア「でも、こうして笑って過ごせる時間があるのも大事なのよ。

魔界で、こんな風にお茶を楽しめる場所なんて……そうそうないんだから」


外からまた爆音と怒号が響く。


イグニス「そこだぁぁ! 全力で来いッ!」

カイ「ぐわぁぁぁぁ!」


女子たちは顔を見合わせ、声を揃えて笑った。


DC「……まぁ、あれが続いてるうちは敵も寄りつかないか」

エリシア「そうね……静かすぎるのも、ちょっと怖いけど」


カップを掲げるアナスタシアの声が、茶屋の柔らかな空気に溶けていった。


アナスタシア「今は今を楽しみましょう。きっとまた、嵐はやってくるから——」

(^^)/

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