女子会の午後
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村の中央にある小さな茶屋。
外ではイグニスの大声と爆音が響き渡っていたが、店内は別世界のように穏やかだった。
湯気の立つ茶器を前に、DCが椅子にふんぞり返ってため息をつく。
DC「……ったく、男どもはまだやってんの?もう2か月は経つわよ? どんだけ同じこと繰り返すのよ」
隣で涼しい顔をして茶を口にするアナスタシアが微笑む。
彼女の腕にはまだ幼いアマラが抱かれている。
アナスタシア「まぁまぁ。魔界生まれじゃない彼らには、一番の難関かもしれないわねぇ。
瘴気と魔力の融合なんて、私たちにとっては自然なことでも、彼らには未知の感覚だもの」
エリシア「……そういえば、私たち結構長い間ここにいるけど……全然土の悪魔も攻めてこないのね」
エリシアは窓の外に視線を向ける。外では砂煙を上げながら、カイとリーディが必死にイグニスに挑んでいた。
アナスタシアは少し考え込み、紅茶を揺らした。
アナスタシア「それもね……私たちの寿命のせいかもしれないわね。
私たち悪魔にとって一年や十年なんて誤差。攻め込むのも待つのも、ほんの一瞬のことよ」
DC「……いいわね、そういう時間感覚。研究し放題じゃない」
目を輝かせてカップを掲げる。
すると反対側で黙って茶菓子をつまんでいたリリアナが、口を尖らせた。
リリアナ「でもそのせいで、こっちは待たされる側なのよ? あたしなんて毎日、弟たちの世話と訓練のサポートで大忙し。お茶飲む暇だってやっとなのに!」
エリシア「ふふ、リリアナちゃんはしっかり者だもの。弟たちも安心してるよ」
リリアナ「……べ、別にそんなつもりは……」
耳まで赤くなり、慌てて茶菓子を口に放り込む。
DCがにやりと笑う。
DC「へぇー? “しっかり者”って褒められて照れるんだ? あんた意外とかわいいわね」
リリアナ「か、かわいくないっ!」
アナスタシアはそんな二人を眺めながら、くすりと笑った。
アナスタシア「でも、こうして笑って過ごせる時間があるのも大事なのよ。
魔界で、こんな風にお茶を楽しめる場所なんて……そうそうないんだから」
外からまた爆音と怒号が響く。
イグニス「そこだぁぁ! 全力で来いッ!」
カイ「ぐわぁぁぁぁ!」
女子たちは顔を見合わせ、声を揃えて笑った。
DC「……まぁ、あれが続いてるうちは敵も寄りつかないか」
エリシア「そうね……静かすぎるのも、ちょっと怖いけど」
カップを掲げるアナスタシアの声が、茶屋の柔らかな空気に溶けていった。
アナスタシア「今は今を楽しみましょう。きっとまた、嵐はやってくるから——」
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