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悪魔の左腕  作者: 770
66/149

半年の果実

(^^)/

さらに半年が経った。


荒野に瘴気がうねり、砂煙の中でリーディが笑っていた。

彼の両腕の悪魔の爪は肘まで浸食し、黒炎を纏いながら輝いている。


リーディ「はっはっは! カイエル、ナディル! 早く本気出しなよ!」


二人の少年は肩で息をし、頬を汗で濡らしていた。


カイエル「くっ……うっ!」

ナディル「ぐわぁ!」


二人同時に地面に膝をつくが、すぐに立ち上がる。


カイエル「……しょうがねぇな……行くぞ、ナディル!」

ナディル「う、うん!」


二人が同時に両腕を広げ、瘴気を一気に体へ取り込む。


カイエル・ナディル「——魔人化《獄焔顕現》!」


その瞬間、二人の体から黒い炎と蒼い雷光が同時にほとばしった。

空気が軋み、明らかに場の“圧”が増す。


カイ「……おいおい、あの瘴気の流し方……反則じゃね!?」


カイエル「うぉぉぉぉ!」

リーディ「うわぁ! やっぱ強烈!」


ナディル「いやぁぁぁぁぁ!」

リーディは押されながらも必死に黒炎を爪へと込める。


瘴気が荒れ狂い、爆音のような衝撃が辺りに響いた。


少し離れた丘の上でそれを眺めていたのはリリアナとDCだった。


リリアナ「……またやってる。ほんと飽きないのね、男子は」

DC「飽きないのはアンタも一緒でしょ。……でも、今回はどうかしら?」


DCの前には、いくつもの魔法陣が宙に浮かんでいた。

ただの複数展開ではない。全ての魔法陣が複雑に連結し、脈打つように輝いている。


リリアナ「すっごいきれいよ!DC! 私も!」

少女の目の前にも同じ規模の魔法陣が展開される。


DCはふふんと鼻で笑い、指をぱちんと鳴らした。


DC「見てなさい! ——焔花咲乱カーニバル・フレア!!」


昼間だというのに、夜空の花火のような魔法が荒野に打ち上がる。

炎は一つ一つが大輪の花となり、鮮やかな轟音と共に弾けた。


リリアナ「きゃあっ! 本物の花火みたい!」

DC「ふふん! ただ派手なだけじゃないわよ。この規模の制御ができるのは、アタシだからこそ!」


村の一角ではアナスタシアがその花火を見上げていた。

彼女の腕には生まれたばかりの赤子——末娘アマラが抱かれている。


アナスタシア「……本当にすごい魔法。とても、きれいだわ」

エリシア「DCは……派手好きですからね」


二人は茶を飲みながら談笑していた。

彼女たちのすぐそばは瘴気が一切ない結界内。しかし結界の外、十メートル先には魔界屈指の瘴気溜まりが渦巻いている。

人間なら五秒も持たず、悪魔ですら酔い倒れるレベルだ。


やがて荒野にイグニスの豪快な声が響いた。


イグニス「よし! そこまでだ!」


彼は肩に槍を担ぎ、戦いを終えた子供たちとカイたちに視線を送る。


イグニス「だいぶ強くなったなリリアナ! カイエル! ナディル!

 そしてカイ、リーディ、エリシア、ヒマワリ! お前らも……もう4大悪魔の補佐悪魔レベルだぜ!」


子供たちは歓声を上げ、カイたち三人も思わず顔を見合わせて笑った。


だが、一人だけ頬を引きつらせている者がいた。


DC「……その名前で呼ぶの、ほんっとやめなさいって言ってるでしょ!」


イグニスは悪びれもせず、にかっと笑った。


イグニス「親につけられた名前を隠すなんざおかしいだろ! 堂々としろ!」

DC「おかしいのはあんたのセンスよ!」


子供たちが笑い転げる中、イグニスは空を仰ぎ、真剣な表情に戻る。


イグニス「さて……お前らもここまで来りゃ、そろそろだな。次は4大悪魔様直々の修行だ! 楽しくやろうぜ!」


その言葉に、村全体が期待と緊張でざわめいた。

そしてカイたちの魔界修行は、次なる段階へと進もうとしていた。

(^^)/

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