表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の左腕  作者: 770
64/149

瘴気を吸う者たち

(^^)/

翌朝、イグニスはカイたちを村の外れへ連れていった。

そこは荒野でも森でもなく、黒い霧が地面から立ち上る奇妙な谷だった。


イグニス「ここだ。この谷は“瘴気の濃度”が濃い場所のひとつだ。魔界にはこういう場所が無数にある。

 魔界で生き残るには、この瘴気を“武器”にしなきゃならねぇ」


カイは辺りを見回し、額に汗をにじませる。


カイ「……もう息苦しいな。吸い込んだだけで体が重い」


DCは口元を抑えながらも、目を細めて興味深そうに霧を観察した。


DC「ただの毒気じゃない……これは魔力そのものの濃縮体……。

 あぁ、研究したい……けど、今は耐えるしかないか」


エリシアは胸に手を当て、小さく息を吐いた。


エリシア「……はぁ……はぁ……。なんだか、私だけ……余計に苦しい気がする」


イグニスはじっと彼女を見て、眉をひそめる。


イグニス「ふむ……お前の体には“光の核”があるな。なるほど、そいつが瘴気と相性悪ぃのか」


エリシア「……だから、吸い込みづらい……?」


イグニス「そうだ。だが、魔界で戦うなら避けて通れねぇ。慣れるしかない」


リーディは両手を握り、歯を食いしばった。


リーディ「うっ……くそ……体の中が焼けるみたいだ……!」


イグニスは豪快に笑いながらも、鋭い声で命じる。


イグニス「よし! 今日の課題は簡単だ。“瘴気を呼吸で体に取り込み、部位に流す”!

 余計なことは考えるな。ひたすら吸って、ひたすら流せ!」


カイ「……やってやるよ!」

リーディ「ボクだって!」

DC「ふふ……どんな成果が出るか、楽しみね」

エリシア「はぁ……が、頑張る……!」


——しかし。


数時間後。


カイ「……ぜぇ、はぁ……もう……胸が……」

リーディ「がっ……はっ……体が……鉛みたい……!」

DC「ぐっ……! 頭痛が……でも……まだ……!」

エリシア「……ッ……もう……吸えない……」


全員が膝をつき、荒い息を繰り返す。

瘴気は魔力を増幅する代わりに、体力を削り、内臓を焼くような痛みを伴った。


イグニス「よし、今日はここまでだ! 慣れてねぇ人間にとっちゃ、これ以上は毒だ。

 だがな——魔界じゃ毎日がこれだ。慣れろ。生き残りたきゃな!」


その夜、宿舎の布団に沈むカイたち。


カイ「……こんなに……苦しいもんかよ……」

リーディ「体の中が……ずっと火傷してるみたいだ……」

DC「ふふ……吐きそう……でも……魔力の循環が、確かに変わってきてる……」

エリシア「……あぁ……心臓が……重い……やっぱり、私だけ……」


それぞれが言葉少なに呻きながら、初日の修行を終えて眠りに落ちていった。


——魔界での過酷な日々は、まだ始まったばかりだった。

(^^)/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ