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悪魔の左腕  作者: 770
62/149

炎の宴

(^^)/

目の前で繰り広げられた、二体の大悪魔の激突。

槍の一振りで軍勢を消し飛ばし、大地ごと抉る奥義。

それを影武者にすぎないとはいえ受け止める土の巨悪。


カイ「……す、すげぇ……」

リーディ「正直……ちょっと震えるな……」

エリシア「これが“四大悪魔”の力……」

DC「……ふん、私だって負けないけどね(……って言い切れないわね、これは)」


人間界最強と謳われる冒険者たちですら、あの戦いに割って入るなど考えられない。

カイたちは己との力の差をまざまざと見せつけられていた。


——戦場の緊張が解けると、イグニスは振り返り、仲間へ指示を飛ばした。


イグニス「全員、村に戻るぞ! 子供たちを探し出せ!」


リーディは勇気を振り絞り、イグニスの元へ駆け寄った。


リーディ「あのっ! 子供たちの居場所……僕、知ってます!」

イグニス「なに……?」

リーディ「リリアナたち、今は西の町近くの集落で匿ってもらってます!」

イグニス「……! そうか……よく教えてくれたな、坊主!」


イグニスは大きな手でリーディの肩を叩き、豪快に笑った。


イグニス「お前ら……ただの旅人じゃねぇな。恩人だ。村に来い!」


南の町に戻ると、そこには驚くべき光景が広がっていた。

人間、獣人、悪魔——姿も種も違う者たちが、肩を並べて生活している。


エリシア「……えっ……こんな光景、初めて見た」

カイ「悪魔と人間が一緒に……?」

DC「へぇ……これは面白いわね」


イグニスは広場で振り返り、にかっと笑った。


イグニス「俺はな、種族とか関係ねぇんだ! 生きたい奴はみんな“家族”よ!」


その夜——。

南の町に歓声が響いた。


サフィナ「イグニス様! おめでとうございます!」

バルザック「元気な子ですぞ!」


イグニスの妻が無事に出産し、八人目の子供が生まれたのだ。


イグニス「はははっ! また家族が増えたぜ! お前らも飲め飲め! 食え食え!」


大広場には焔のような灯りがともり、酒と料理が並ぶ。

人間も獣人も悪魔も、皆が笑い、歌い、踊る。


リーディ「なんか……すごいね」

エリシア「うん……ここだけ、世界が違うみたい」

DC「ふふ、嫌いじゃないわ。こういうの」

カイ「……悪魔ってのも、全部が敵ってわけじゃないのか」


イグニスは生まれたばかりの赤子を抱き上げ、大声で宣言した。


イグニス「こいつも俺の自慢の子だ! リリアナから始まって、全部で八人目! みんなまとめて俺の宝だ!」


——南の町の夜は、笑いと炎と歌に包まれて更けていった。

(^^)/

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