ゾンビの荒野で
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西の空は薄曇り。荒れ果てた大地を歩くカイ、エリシア、DCの3人は、次々に襲いかかるゾンビを斬り払っていた。
カイ「はぁっ……! 数が多すぎる……!」
エリシア「ごめん、回復の魔力がどんどん削られる……!」
DC「まったく! 燃やしても燃やしてもキリがないわね!」
ゾンビは一体一体は弱い。だが、地平線の向こうから湧き続ける群れに、3人の疲労は濃く積み重なっていった。
その時——。
カイ「ん? 小さな魔力反応……子供か?」
視線の先、岩陰でゾンビと必死に戦っている3人の小さな影があった。
褐色の肌、燃えるような赤毛。まだ幼い顔立ちながら、その眼は確かに戦いを知っていた。
長女が声をあげる。
リリアナ「なんでこんなに多いのよっ! もう……っ、くそぉ!」
カイエル「姉ちゃん、後ろ!」
ナディル「ぼ、僕だって戦えるんだから!」
カイ「……子供だと!? くそっ、加勢するぞ!」
風を纏った斬撃がゾンビを吹き飛ばし、DCの火球が一帯を焼き払う。
エリシアも聖光を広げて援護した。
リリアナ「えっ……助けてくれたの?」
カイ「あぁ、大丈夫か? ケガはないか?」
カイエル「ぼ、僕らだって戦えるのに……」
DC「背伸びするんじゃないの、アンタたちみたいな子供は!」
戦いが収まると、3人は自己紹介を交わした。
長女「私はリリアナ! この子は弟のカイエルと、ナディル」
カイ「リリアナ、カイエル、ナディル……か。お前たち、どうしてこんな所に?」
リリアナ「……父さまのために戦うの。土の悪魔を倒してやるんだ」
カイエル「父さまは、強くて優しくて、でも戦いばっかりで……」
ナディル「だから、ぼ、僕らも強くならなきゃ……」
カイたちは驚きながらも、子供たちを近くの集落まで送り届けることにした。
——道中。
カイ「土の悪魔を倒す、だと……? 本気なのか……」
DC「ふふん、悪魔の子供ってわけね……面白いじゃない」
エリシア「でも……あの子たち、本当に戦いに行く気だったわ」
やがて辿り着いたのは、石造りの巨大な要塞。土の悪魔ドミナスの根城であった。
カイ「……妙だな」
門の前には、警備するはずの悪魔の姿がひとつもない。
中に入っても、ゾンビたちが虚ろな目で立ち尽くすばかりだった。
エリシア「どういうこと……?」
一体のゾンビに声をかけると、低い声が返ってきた。
ゾンビ「……主は……南へ……進軍を……」
カイ「なっ……!?」
DC「ってことは……!」
3人の脳裏に、さっき出会った赤毛の子供たちの姿がよぎる。
カイ「まさか……狙いは……!」
エリシア「リリアナたち……!」
DC「くっ……急ぐわよ!」
3人は駆け出した。南の空には、不穏な影が広がり始めていた。
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