蛇女からの贈り物
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闘技場の熱狂がようやく落ち着いた頃、シュリーデは鉄扇を畳み、手をひらりと振った。
すると、魔石の台座に光が集まり、三つの品が現れる。
シュリーデ「約束の品よ。——人工部位や杖も全部返してあげる。それと……悪魔の左腕。おまけに中級悪魔の右足もつけてあげるわ」
DC「きゃあああああ! 本物の部位だぁーっ! 使いたい!研究したい!ねぇカイ、すぐに実験していいでしょ!?」
カイ「おい落ち着け! 喜ぶのはいいけど暴走すんなよ!」
DC「うっさいわねぇ! この足なんてもうピッカピカだし!人工部位より断然かっこいいじゃない!」
カイ「……いや、見た目の問題じゃねぇからな」
シュリーデはそんな二人を眺めて、ふっと笑った。
シュリーデ「ねぇ、カイ。セレナたちのことを聞かせてくれない?」
カイは驚いた顔をしてから、少し目を伏せて口を開いた。
カイ「……セレナさんは、相変わらず明るくて優しかったです。洗濯や掃除まで修行にしてきたり……DCには魔力の無駄遣いを直させたり。アルガスさんは剣を振れば木も岩も両断で……でも、最後は“よく頑張ったな”って褒めてくれました」
シュリーデ「そう……もうそんなに経つのね」
彼女は視線を少し落とし、蛇の髪を撫でながら小さく笑った。
シュリーデ「そっか……もうおばあちゃんか、あの子。ふふ……時が経つのは早いものね」
そう言って彼女はふっと表情を和らげると、今度はエリシアの前に歩み寄った。
手に黒い水晶のついた小さなネックレスを掲げて、エリシアの首にそっとかける。
シュリーデ「これは……私からの贈り物。あなたの魔力、セレナに一番似てるわ」
エリシア「えっ、わ、私に? そ、そんな……」
シュリーデ「似てるからこそ、無理をしないで。きっとあなたも、光に引っ張られすぎると危ういから」
エリシア「……はい、大事にします」
シュリーデ「ふふ……いい子ね」
そうして授与式は終わり、町を出るカイたち三人。
街道を歩きながら、DCは両手をぶんぶん振っていた。
DC「はぁ〜、本物の部位をゲットできるなんて……アタシ幸せすぎて死ぬかも!」
カイ「勝手に死ぬな! これからだろ!」
エリシア「でも……なんだか不思議ね。怖いはずの四大悪魔から、あんなに普通に贈り物をもらうなんて」
カイ「……確かに」
DC「ギャンブラーってそういうもんよ! 勝負に勝てば全部くれる! 負けたら……死ぬけど!」
カイ「そのノリで負けて足まで取られたのお前だからな!」
エリシア「ふふっ、また始まった……」
ゆるやかな風が吹く街道。
三人の足取りは軽く、それぞれの想いを胸に、北の空へと進んでいった。
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