モンスターポーカー
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闘技場が一度暗転し、再び照明が灯る。
中央に並べられたのは、巨大なカードを模した石板と、魔獣を放つ檻の数々だった。
審判悪魔「次のゲームは——《モンスターポーカー》!
ルールは単純! フィールドに散らばるモンスターを倒せ! その魔石に刻まれた数字がカードの役になる!」
観客席からどっと歓声が上がる。
審判悪魔「雑魚を狩りまくれば“3のフォーカード”なんて役も作れるし、強敵を倒せば“エース”が揃うこともある!
強い奴だけが強い役を作れるとは限らない! それがモンスターポーカーだ!」
カイとDCは顔を見合わせる。
カイ「運も絡むってことか……」
DC「アタシ、こういう駆け引きは得意よ!」
その時。
上段席から、鉄扇を手に悠然と立つシュリーデが口を開いた。
シュリーデ「……そういえば。アルガスとセレナは元気?」
カイ「っ!? 師匠を……知ってるのか?」
蛇髪をゆらし、彼女は艶やかに笑う。
シュリーデ「ふふ。あの二人とは昔ね、何度か勝負したことがあるのよ。
剣聖と大賢者。私にとっても忘れられないゲームの相手だったわ」
カイ「勝負……?」
シュリーデ「あら、深くは語らないわ。ギャンブラーにとって過去の勝負は最高の酒の肴だから」
彼女は鉄扇をひらりと広げる。
シュリーデ「本来なら、私はギャンブルの結果に口を出すことなんて絶対にないの。
でも……アルガスとセレナの魔力を、この会場で感じちゃってね。懐かしさに、少しだけイカサマをしたくなったのよ♡」
観客たちがざわめく。
「四大悪魔が直接介入するなんて……!」
シュリーデは楽しげに笑い、舞台の上に手をかざした。
シュリーデ「ところで、このゲームの追加の賞品なんだけど……」
石台の上に光が集まり、禍々しいオーラを放つ“何か”が姿を現した。
それは肩から先までを保った一本の左腕だった。黒紫の紋様が脈動し、観客すら息を呑む。
羽「!? カイ! 本物の部位だ!」
カイ「っ……!」
シュリーデ「これは魔界最高貴族、《ヴァルゴ=ノクトゥルナ家》当主——ゼルディス=ヴァルゴの左腕。
ただの手先じゃないわ。肩から丸ごと、完品の逸品よ♡」
羽「……!! カイ! 絶対に手に入れろ! それは——俺の息子の腕だ!!」
カイ「なっ……!? お前の……!」
羽の叫びに会場はさらに騒然とした。
カイは強く拳を握り、顔を上げる。
カイ「……わかった!必ず手に入れる!」
その時、シュリーデが鉄扇を鳴らし、闘技場の中央へと舞い降りた。
艶やかなドレスの裾が翻り、蛇の髪がカイに向かって舌を伸ばすように蠢く。
シュリーデ「さぁ、人間。ギャンブルと戦い、そして運命に挑みなさい」
カイ「望むところだ!」
二人の影が交錯し、モンスターポーカーの幕が切って落とされた。
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