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悪魔の左腕  作者: 770
50/149

カジノの町

(^^)/

数日後。

カイとエリシアは北部の大都市へと辿り着いた。

街の入口には巨大な看板に金色の文字でこう刻まれていた。


《歓迎! 魔界最大の娯楽都市——バベルカジノシティ》


人間も悪魔も入り乱れ、昼間から喧騒と歓声が響く。

賭場から流れる音楽、煌びやかなネオン、そして酒と煙草の匂いが街全体を覆っていた。


カイ「……カジノの町か。俺、本でしか見たことなかったけど、ほんとにこんな賑やかなのか」

エリシア「わたしなんて、旅に出る前は隣村に行くのがせいぜいだったもの……ちょっと怖いかも」


と、その時。


カイ「……ん?」


街の入り口の石畳に、バタリと横たわる赤髪の影。

干からびたようにぐったりしているのは、他でもない仲間のDCだった。


エリシア「DC!? 大丈夫!?」


駆け寄って体を揺すると、DCはかすれた声で何かを呟いた。


DC「……して……ちゃ……へ……」

カイ「なんだって?」

DC「……ギャンブルして……負けちゃった……テヘ☆」


カイ「なにやっとんじゃあああぁぁぁぁぁっ!!」


エリシア「ま、まぁまぁ!DCだって遊んでたわけじゃないと思うし!……ね?」


DCは上半身を起こし、ぷりぷりと怒ったように腕を組む。


DC「そうよ!急に怒鳴るなんてどういう神経してんのよ!」

カイ「いやいやいや!有り金全部取られるとか、どう考えてもおかしいだろ!」

DC「……いいじゃない、ちょっとくらい……」

カイ「よくないわ! しかも右足の部位までごっそり無くなってるじゃねぇか!」


エリシアも呆れ顔でため息をつく。


エリシア「杖も魔具も……全部無いのね」

DC「そうよ!だからみんなで取り返すの!当たり前でしょ!」


カイ「はぁ……で、相手は?」


DCは声をひそめ、にやりと口元をゆがめる。


DC「……四大悪魔よ。北を治めるシュリーデっていうの」


カイ「なっ……!? 四大悪魔だと……!」

エリシア「四大悪魔が直接……?」


DC「正確には、あの蛇女が出す景品のひとつってわけ。……この町、ギャンブルに負けたら部位だって平気で持っていかれるのよ」


カイ「……人工部位まで取られてるってことは、杖も魔具も何もかもか。……わかった、取り返すしかないな」

DC「さっすが!アタシ達のリーダー!」

カイ「このやろっ……!」


ルーレット賭場


カジノの中心部。

金色のシャンデリアが輝き、テーブルの上でルーレットが回り続ける。

悪魔も人間も、札束や魔石を積み上げては一喜一憂していた。


カイ達はその一角へ歩み寄る。


カイ「……すみません。こいつの取られた部位や魔具はどこへいったんだ?」


ディーラーの悪魔は口元を吊り上げ、不気味に笑った。


ディーラー「あぁ? あの赤髪の嬢ちゃんの景品か?……ふふ、あれなら《モンスターハウス》の賭場に回されたぜ」


カイ「モンスターハウス……?」

DC「そう、カジノの花形ゲームよ。モンスターの檻に挑んで、勝ち残ったら景品総取り。負けたら命ごと没収」

エリシア「そんな……命を賭けた賭け事なんて……!」


ディーラーはカードを切る手を止め、ニヤニヤとカイを見た。


ディーラー「参加するかい? 勝てば全部取り返せる。負ければ……その黒髪坊主の部位も追加だな」


カイ「……上等だ。やってやるよ」


モンスターハウス賭場


地下に広がる巨大闘技場。

観客席はすでに満員で、酒と欲望にまみれた声援が飛び交っていた。

中央の鉄格子の向こうでは、モンスターたちが鎖を引きちぎらんばかりに暴れている。


カイは深呼吸し、剣を握り締めた。


カイ「……参加したい」

ディーラー(受付)「……ほう。じゃあここに名前を書け。入場はすぐだ」


羽ペンが手渡される。

カイは無言で名前を書き、鉄格子の向こうを見据えた。


カイ(心の声)「DCの足も、杖も……全部取り返す!」

(^^)/

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