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悪魔の左腕  作者: 770
49/149

魂の狭間で

(^^)/

暗闇の中、光の筋が砕けた鏡のように散乱している。

リーディは空間魔法の中で暴れ、己の力を抑えきれずにいた。


リーディ(心の声)「くそぅ……! 体が……全然制御できない!」


その爪は勝手に伸び、髪は逆立ち、狼のように牙を剥く。

悪魔の力と自身の魂がぶつかり合い、空間そのものを揺らしていた。


ビキィッ……!


空間にひずみが走り、裂け目が生まれる。

抗う間もなく、リーディの身体はその裂け目へと吸い込まれていった。


リーディ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


気づくと、そこはどこまでも灰色の空間だった。

上下も距離も曖昧で、漂うのは無数の「魂の影」。

叫び声や囁き声が幾重にも反響し、冷たい風が骨の芯を撫でる。


リーディ「……うっ……ここは……? ……いてて……」


暴走は解けていた。

その反動で体は鉛のように重く、膝をつく。


その時――


「……リーディ……」


どこからか、柔らかくも切ない声が響いた。


リーディ「!? だ、だれだ!」


「あぁ……わらわのかわいいリーディ……」


リーディの周囲に光の粒が集まり始める。

やがてその中心に、一人の女性の姿が現れた。

白い着物に赤い帯。顔には狐面。長い黒髪が光に揺れる。


リーディは思わず息を呑んだ。


リーディ「……!?」

イズナ「こんなところで会えるとは……嬉しいわ、リーディ。大きくなって……」


リーディ「な、なんで……ボクを知ってるの?」


イズナは、面の下で微笑んでいるかのように肩を揺らした。


イズナ「あらあら……リーディ。わらわのことも……忘れてしまったの?」


リーディ「……え?」


イズナはリーディに歩み寄り、その小さな頬に手を伸ばす。

だがその指先は実体を持たず、光の粒となってすり抜けた。


リーディ「ここは……どこなんだ? なんで魂ばっかり……」


イズナ「ここは“魂の狭間”。時間がゆがみ、命と死の境目が混ざり合う場所……。

 ここでの一年は、現実ではほんの一週間にしかならない。

 ……だから安心していい。ここで過ごしても、外の世界ではすぐに会えるわ」


リーディ「……時間が……ゆがんでる?」


イズナは頷いた。


イズナ「リーディ……あなたはこれから大きな運命に巻き込まれる。

 だけど今のままでは、その力を制御できず……大切な仲間を傷つけてしまうでしょう」


リーディはぎゅっと拳を握った。


リーディ「……ボク……あんな暴走、もうイヤだ。

 守りたいんだ……カイたちを……!」


イズナは柔らかく笑い、扇のように両手を広げる。

その周囲に、赤黒い炎と闇の霧が渦を巻いた。


イズナ「ならば――わらわが教えましょう。

 闇を、炎を。あなたの中に眠る“獣の力”を覚醒させる方法を」


リーディ「……!」


イズナの光がさらに強くなり、魂の影たちを押し返していく。


イズナ「……さあ、リーディ。親子水入らずの時間を過ごそうかえ」


その言葉と共に、灰色の世界に温もりが灯った。

リーディは涙をこぼしながら、ただ必死にその光を見つめ続けた。

(^^)/

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