ギャンブル都市アスモディア
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漆黒の雷が走った瞬間、DCの身体は光の渦に呑み込まれていた。
DC「くっ……これは……空間魔法!? まずいわね……」
四方八方、上下の感覚さえ曖昧な異空間。
まるでガラスの破片を無理矢理貼り合わせたような、歪んだ空間に浮かぶ。
DC(心の声)「あの犬っころ、暴れてなきゃいいけど……。
空間魔法の中で暴れたら……時空のひずみに飲まれて、二度と戻れなくなる……」
額に汗を浮かべ、必死に呼吸を整える。
DC「……まずは、アタシだけでも……!」
指先に魔力を集中させると、魔法陣が展開。
数式のように組み上がる魔力回路で空間の膜を分解し始める。
ビリビリ……バチンッ!
DC「“中和・分解”ッ!!」
空間が裂け、DCの身体は弾き出されるように現実へと叩き落とされた。
ごうごうとした喧騒。
眩い光と魔力の匂いが入り混じる。
目の前に広がっていたのは、巨大な魔界北部の都市――
DC「……ここは……町?」
頭上には夜のように暗い空。
だが街の至る所に魔石の光が灯り、昼よりも明るい。
幾重にも連なる看板と魔法仕掛けのネオン。
人間、悪魔、獣人……あらゆる種族が混在し、笑い、怒鳴り、泣き、踊る。
それは魔界最大の歓楽街――ギャンブル都市アスモディアだった。
DC(心の声)「……カイ達は……感じる。こっちへ……魔力探知できてるみたいね。
ふふ、無事でよかった。なら……少しくらい情報収集してても、いいわよね」
数件のカジノを回ったDCは、街の中央にそびえる最も巨大な建物へ足を踏み入れた。
魔界の富と欲望が集まる最大級のカジノ。
中は煌びやかな装飾で彩られ、何百もの魔石ランプが眩しく光り、笑い声と悲鳴が交錯していた。
DC「……なるほど、これが魔界一のカジノってわけね」
ふと視線を向けた先――
ルーレットの一角。
そこでDCは息を呑む。
「景品:悪魔の右足」
そこに置かれていたのは、漆黒に輝く部位。
DCが人工部位として使っている「右足」と同じ部位。
だがこれは本物。
人間製の代用品ではなく、悪魔由来の“本物”の部位だった。
DC「……これは……! 絶対に欲しい!」
足が自然とテーブルへと向かっていた。
周囲の客がざわつく中、DCはためらいもなく椅子を引き、ドカリと座る。
DC「さぁ! アタシの運を――とくと見なさいッ!!」
そう宣言し、ルーレットに手をかける。
周囲の視線が一斉に集まる。
――ギャンブル都市の夜が、DCの欲望と共に幕を開けた。
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