静寂の雷
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渓谷の戦場。
リーディたちが消え、残されたのはカイとエリシアの二人だけ。
その前に、漆黒の雷を纏った巨影が立ち塞がる。
カイ「……お前……仲間をどこへやった!」
怒声と共に駆け出すカイ。
風の刃をまとった剣を振り下ろす。
しかし――
ガキィィィンッ!
黄金の槍が軽く持ち上がり、刃は弾かれた。
まるで子供の攻撃を受け止めるかのように、ヴォルトの表情は動かない。
ヴォルト(心の中)「……純粋な風属性か。稀有だな……」
直後、槍の一閃でカイの体は後方へと弾き飛ばされ、地面を転がった。
カイ「ぐっ……!」
エリシア「カイっ!」
槍を構えたまま、ヴォルトは静かに言葉を落とす。
ヴォルト「……安心しろ。私の空間魔法は万能ではない。
魔力をしっかり感知できる者なら、いずれ必ず再会できるはずだ。
……もっとも――下手に暴れていなければ、の話だがな」
意味深な声を残し、ヴォルトは槍を収めると背を向けた。
そのまま雷光の尾を引きながら、駆け去っていく。
静寂が戻る。
風が渓谷を渡り、崩れた岩がかすかに音を立てた。
エリシアは目を閉じ、胸に手を当てる。
エリシア「……魔力の流れを感じて……」
やがて瞳を開き、息をのむ。
エリシア「カイ! 北の方角……かすかだけど、DCの魔力を感じるわ!」
カイ「……よし。あいつが無事なら……行くしかねぇ」
二人は互いに頷き合い、崩れた戦場を背に、北へと歩き出した。
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