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悪魔の左腕  作者: 770
45/149

魔界の村

(^^)/

眩い光を抜けた先は――果てしなく広がる漆黒の大地だった。

赤黒い空が渦を巻き、遠くで雷が走る。

異様な重力と瘴気が漂う中、カイたちは魔界の大地に立っていた。


カイ「ここが……魔界……」

リーディ「うぅ……空気が重い……」

エリシア「でも、不思議ね……思ったより荒廃してない」

DC「むしろ秩序がある感じね。魔力が流れてる方向も整ってるし……」


四人が出た場所は、どうやら魔界のほぼ中心らしい。

そこから東へと歩を進めると、小さな村が見えてきた。


村には、意外な光景が広がっていた。

部位を欠損して歩く者。

人間界のひずみに迷い込んできた人間。

そして、力なく生まれた小さな悪魔。


しかし彼らは牙をむくことなく、むしろカイたちを温かく迎えてくれた。


村の男「お客人かい? よく来たな。ここは“はみ出し者”の村だ」

カイ「はみ出し者?」

村の女「4大悪魔の庇護を受けられなかったり、戦えなかったり……そんな者が集まってるのよ」


夜。

焚き火を囲みながら、村人たちは語ってくれた。


火の南 → イグニス・ヴァルガ。怒りと火を司る“家族の王”。


水の北 → シュリーデ・マリクシス。毒と賭博を支配する遊興の悪魔。


雷の東 → ヴォルト。孤高の雷、誰も近寄らない領域の支配者。


土の西 → ドミナス・グラヴェル。死を集める傲慢王。


そして――各地には、古の時代に散らばった「悪魔の部位」が点在しているという。


村人「噂だが……部位を多く持つほど、悪魔に近づく。だが、心を喰われるとも……」


その夜。

寝床についたカイの意識に、羽の声が囁いた。


羽「……おい。聞いたか? 4大悪魔の話」


カイ「ああ。相当強そうだな……正直、勝てる気がしない」


羽「ヒヒ……勘違いするなよ。あいつらなんざ雑魚だ」


カイ「雑魚って……お前、今なんて……」


羽「昔はなぁ、“魔王”と“三大魔神”がいた。天地を揺るがす化け物だ。

 爆炎は山を消し、轟水は大海を覆い、暴風は大陸を削った。……そしてその上に立つのが魔王。

 あの時代に比べりゃ、4大悪魔なんざ子供のケンカみたいなもんだ」


カイ「……そんなに違うのか?」


羽「あぁ。今の支配者どもは、魔王の“残り香”にすぎん。……だが、油断はするなよ。雑魚とはいえ、貴様ら人間にとっては十分すぎる怪物だ」


その声音には、どこか懐かしむような響きが混じっていた。


翌朝。

村を後にし、北へ向かう街道を歩くカイたち。


その時――。


???「……おい、羽。まだ生きてやがったのか」


白髪に蒼い瞳、黒い羽を広げた少年が、道の先に立っていた。


カイ「ジン……!」


不気味な笑みを浮かべるその姿に、風がざわめいた。

(^^)/

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