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悪魔の左腕  作者: 770
44/149

師匠たちの戦い

(^^)/

洞窟の外。

夜風が吹き抜ける崖の上で、アルガスとセレナは静かに佇んでいた。

カイたちを黒き門の中へ送り出したばかりの彼らの顔には、わずかな安堵と誇りが浮かんでいた。


しかし――その空気を破るように、二つの影が歩み寄ってきた。


月光に照らされたその姿は、以前の面影を残しながらも異様に変貌していた。


銀髪の青年、レオニス。

両腕と頭部が純白に輝き、天使の鎧と同化していた。額には光の紋が浮かび、見る者の心を押し潰すような威圧感を放っている。


黒髪の少女、フィオラ。

右腕と右足が白光に覆われ、背中の翼は羽ばたくたびに大気を震わせる。

かつて清廉に見えた瞳は鋭さを増し、天から使わされた刃のように冷たい光を放っていた。


レオニス「……このまま魔界へ逃げられるのは厄介だな」


その声は感情を押し殺した低音。

だが彼が放つ圧力だけで、岩壁が軋む。


フィオラ「お二人さん。――通してくれるかしら?」


柔らかな声の奥には、容赦のない殺意が潜んでいた。


老夫婦はゆっくりと振り向いた。


アルガス「せっかくいい感じに送り出せたってのになぁ……。すぐに追っ手を送っちまうのは、ちょっと弟子たちに恥ずかしい思いをさせるだろうよ」


セレナ「そうね。ならここは――師匠らしく、かっこよく“足止め”しておこうかしら」

にっこりと微笑むが、その背後に溢れる魔力は大地を震わせていた。


剣聖が大剣を担ぎ、わずかに目を細める。


アルガス「……三部位持ちか。まさか――“教祖エゼリアス”の指示か?」


天を統べる存在の名を口にした瞬間、空気が凍り付く。


レオニス「……答える義理はない。――どけ」


その目に迷いはなく、彼自身が剣そのもののような気配を放っていた。


セレナ「あらあら。言ったでしょ? 足止めするって」


ひらりと杖を構えるセレナの瞳が、淡い光を宿す。


フィオラ「……レオニス。大賢者と剣聖よ。軽んじてスルーできる相手じゃない」


天使の羽が大きく広がり、地を打つ風圧で砂利が舞い上がる。


次の瞬間――。


剣と光が交差し、大地を割った。

空へ奔った魔力は夜を昼に変え、轟音は雷鳴のごとく大地を揺らす。


火柱が立ち、山が揺れ、川が逆流する。

「人類史上最悪の大災害」と後に語られる戦闘が、まさに始まった。

(^^)/

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