光と影
(^^)/
洞窟の奥。
空気そのものが淀み、吐く息が冷気となる。
ゆっくりと歩を進めてきたのは――《死神》ヴァルグ=レイヴン。
黒外套を引きずり、髑髏の瞳は赤い光を放つ。
闇が濃くなり、距離感すら掴めない。
エリシア「……暗いのは嫌いなのよね」
その瞬間、地面から無数の影の手が伸びた。
絡め取ろうと蠢く腕。冷たい指先が、空気を這い、肉を掴もうと迫る。
しかし――。
バシュッ!
光の盾が一瞬の輝きを放ち、伸びてきた腕はすべて弾かれる。
エリシア「いける!」
死神は低い唸りを上げ、次の一手を繰り出す。
足元に広がる漆黒の沼。
そこから這い出すのは、腐敗したゾンビの群れ。
空気に腐臭が混じり、洞窟全体が不浄に包まれる。
さらに死神自身も巨大な影の鎌を生み出し、エリシアへ振り下ろす。
エリシア「きゃっ! ……もう、服が汚れちゃうじゃない!」
死神の猛攻にも、エリシアの声色には焦りがなかった。
光の盾が次々と鎌を弾き、彼女は片手で髪を払う余裕すら見せる。
ゾンビたちが一斉に襲いかかってきたその時。
エリシアの両手に、清浄な光が集まった。
エリシア「――《サンクチュアリ・レイディアンス》!」
まばゆい光柱が迸り、闇の沼もゾンビの群れも瞬時に焼き尽くした。
影の髑髏は悲鳴を上げる間もなく、その身を砕かれ、塵となって消えていく。
洞窟には静寂と、光の残滓だけが残った。
エリシア「ふぅ……やっぱり光魔法は便利ね。……でも、また水場に着いたら洗濯しなきゃ」
スカートの裾をぱんぱんと叩きながら、彼女は平然と笑った。
その背後で、死神の残滓は完全に霧散していた。
――余裕の勝利。
(^^)/




