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悪魔の左腕  作者: 770
40/149

獣王との対峙

(^^)/

轟音と共に、大地が震えた。

真正面から迫るは――《獣王》フェンリル=ガルム。


銀灰の毛並みを逆立て、赤黒い紋様が脈動するたび、炎と氷が同時に噴き出す。

左の牙には紅蓮の火が、右の牙には絶対零度の氷が宿り、噛み砕いたものを瞬時に燃やし凍らせる。

その巨体はまさに「獣の頂点」。ただ一歩踏み出すだけで、大地は裂け、洞窟の天井から岩片が雨のように降り注いだ。


リーディ「っ……速い……でかい……!」


その咆哮は耳をつんざき、鼓膜を突き破るかと思うほど。

リーディの体は本能的に硬直し、防御に徹するしかなかった。


爪を構え、必死に飛びかかる牙を受け流す。

だが、その一撃一撃が重すぎる。

岩盤を砕く顎の力、氷炎が入り混じったブレス。

リーディは必死に回避し、土の魔力で壁を作っては砕かれ、蹴散らされていった。


リーディ「くそっ……全然止まらない……!」


獣王は口を大きく開き、灼熱と極寒のブレスを同時に放った。

左右から襲い掛かる相反する力が交差し、渓谷全体を呑み込もうとする。


リーディは必死に身をかわし、地面に膝をついた。

全身に走る痛みと恐怖。

だが、その胸中にふと響く声があった。


―――「こんな犬っころに負けてんじゃねぇ……!」


その声は、自分自身の奥底から湧き上がったものか、それとも爪が語りかけているのか。


リーディは歯を食いしばり、震える腕を見つめた。

その瞬間、左手の悪魔の爪が変貌を始める。

手首まで黒紫に覆われ、禍々しい光が奔った。


リーディ「……っ!」


獣王が大地を蹴り、止めの突進を放つ。

巨体が一直線に迫り、双牙が紅蓮と氷結を煌めかせる。

その迫力は、まさに自然の破壊そのもの。


だが次の瞬間――。


リーディの左腕がしなる。

悪魔の爪が手首まで変質し、紫に輝く軌跡を残した。


ズバァァァァン――ッ!


巨狼の巨体が、一瞬にして胸から腹を斜めに切り裂かれた。

その切り口から――紅蓮の炎が噴き出し、内部から燃え広がっていく。


フェンリル=ガルム「グオオオオオォォォッ……!」


咆哮は炎に掻き消され、巨体は崩れ落ち、燃えながら黒い灰へと変わっていった。


荒い息を吐きながら、リーディは自分の爪を見下ろした。

手首まで悪魔化した爪が淡く紫に光り、まだ熱を帯びている。


リーディ「……なんか、分かったかも……」


彼の口元に、恐怖ではなく確かな自信の笑みが浮かんでいた。

(^^)/

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