賢者の試練
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深い渓谷。
断崖の間に吹き抜ける風が、緊張の空気を震わせる。
カイとリーディは並んで構え、正面にはにこやかに立つセレナの姿。
セレナ「それじゃあカイ、リーディ。修行に入りましょうか」
リーディ「……ほんとに大丈夫なの……?」
小声で不安を漏らすリーディ。
カイ「あぁ……本音を言うと、無茶苦茶やり辛いな……」
目の前の相手が“おばあちゃんスマイル”なのが余計に怖い。
セレナ「心配しなくても大丈夫よ。私は回復魔法もスペシャリストだから!」
にっこにこの笑顔で親指を立てる。
カイ「……安心材料になるような、ならないような……」
カイ「で、何をすればいいんですか?」
セレナ「あ、そうだったわね!」
ぱん、と手を叩くセレナ。
セレナ「あなたたちに足りないのは――コンビネーション! 個々の力はまぁまぁある。でもそれを2倍、3倍にしていかないと、魔界で生きていくなんて無理よ?」
そう言うと、杖をくるりと回した。
セレナ「――ってなわけで最初はこれから行きましょう! 《B級召喚・ベヒーモス》――かける十体!」
渓谷の大地が震え、巨大な影が次々と姿を現す。
咆哮が響き渡り、空気が一気に張り詰めた。
リーディ「ベ、ベヒーモス!? A級上位の魔物じゃないか!」
セレナ「大丈夫大丈夫! 召喚獣だから、私の魔力で強化してあるわ!」
カイ「どこが大丈夫なんだよ!? ……あぁもう! やってやるぜ!」
カイが風を纏い、地面を駆け抜けた。
次の瞬間、ベヒーモスの巨体の前を通り過ぎ――その大きな首が、するりと落ちて地に沈む。
セレナ「まぁ! すごいじゃない!」
カイ「……なんだ今の……?……紙を裂くみたいに、すっと斬れた……」
背後から別のベヒーモスが迫る。
リーディ「カイ、あぶない!」
咄嗟に飛び出したリーディの拳が、空気を震わせて巨体の顎を打ち抜く。
ごうんと音を立て、ベヒーモスがその場に沈んだ。
リーディ「……僕、こんなに強くなってたんだ……」
カイ「いけるな、リーディ!」
リーディ「うん!」
セレナは両手を腰に当て、満足そうに頷いた。
セレナ「ふふっ。これなら――最初の試練はすぐ終わりそうね!」
咆哮と剣戟の音が渓谷に響き渡る。
その音は、確かに二人の成長を証明していた。
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