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悪魔の左腕  作者: 770
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剣聖の試練

(^^)/

だだっ広い草原に、朝露が光っていた。

澄み切った空気の中、アルガスとDC・エリシアは少し距離を取って対峙する。

遠くで鳥の鳴き声が響くが、張り詰めた気配に草原全体が沈黙しているようだった。


アルガスは剣を肩に担ぎ、静かに言った。


アルガス「魔法使いの弱点は知っているか?」


DCが即座に答える。


DC「近距離戦闘? でもアタシは近距離でも魔法の刃を振るえるわよ?」


アルガスは首を振る。


アルガス「違う……」


少し考え込んで、エリシアが声を出す。


エリシア「……魔法詠唱の隙……とかですか?」


再び首を横に振る。


アルガス「違う……」


DCがいら立ったように踏み込む。


DC「じゃあ何だってのよ?」


アルガスは一呼吸置き、重々しく告げる。


アルガス「一見、魔法使い――特に中級から上級魔法を扱う者は、攻守に優れているように思われがちだ。だがその実、攻撃範囲はぼやけ、威力はまばら。物理の一撃のように、確実に急所を断ち切るものではない」


その言葉に、DCの額に青筋が浮かぶ。


DC「……カチン……なんですって!? 証明してやろうじゃないの!」


アルガスは口角を上げて頷いた。


アルガス「いいぞ。では最初の試練だ――俺をここから一歩でも動かしてみろ。手加減はいらん」


DC「カチーン! なめんじゃないわよ! 《インフェルノ・カタクリズム》!!」


轟音と共に、赤黒い巨大な火球が形成される。

第一段階の修行で精度が増したDCの魔力は、以前よりも凝縮され、まるで太陽を切り取ったかのような光と熱を放った。


エリシア「……なに、この威力……!?」


火球が空気を焼き裂き、アルガスへ迫る。

しかし剣聖は一歩も動かず、ただ剣を振り上げた。


アルガス「――ほぅ。まぁまぁの威力じゃないか。だが!」


鋭い一振り。

次の瞬間、太陽を思わせた火球は真っ二つに裂かれ、爆風すら剣圧に掻き消された。


DC「なっ……!?」


歯噛みしながらDCは次の詠唱に入る。


DC「ならこれはどう!? 《テンペスト・アクアボルト》!!」


水と雷を複合させた渦雷の奔流が唸りを上げて襲いかかる。

その背後で、エリシアも両手を組む。


エリシア「私も! 《ルミナス・サークル》!」


聖光の輪が空に広がり、光の矢が雨のように降り注いだ。

修行の成果か、その光は以前よりずっと強く、正確に相手を捉えている。


だが――。


アルガス「フッ!」


一閃。

剣から奔った衝撃波が、複合魔法も聖光の雨もすべて切り裂き、散らしてしまった。

草原は熱と光に焼かれ、煙が立ち込める。


DC「……嘘でしょ……」

エリシア「わ、私の光魔法まで……!」


アルガスはため息をつき、足元の枝を拾い上げた。


アルガス「……これが弱点だ。どうだ? 剣一本にすら届かん」


そして枝を構え、にやりと挑発する。


アルガス「……剣じゃ終わりそうにないからな。この枝で相手をしてやろう」


枝の先が、雷鳴のような気配を放った。

DCとエリシアの背筋に冷たい汗が走る――。

(^^)/

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