風の感覚
(^^)/
修行2日目の森。
朝日を浴びながら、カイはひたすら剣を振っていた。
カイ「……駄目だ。全然飛ばせない」
汗が額を伝う中、背後からあの声が響いた。
羽「ヒヒ、なに遊んでんだ?」
カイ「っ!? 遊んでない! 修行だよ、修行!」
羽「そんな魔力じゃ遠距離攻撃なんてできるわけないだろ。……ヒヒ、もっと“風”を感じろよ」
カイ「するならもっと正確にアドバイスしてくれよ!」
羽は甲高く笑った。
羽「いいだろ……見せてやる」
カイの背後に魔力が収束する。
次の瞬間――前方に巨大な風の刃が奔り、二十メートル先の大木を音もなく両断した。
木が崩れ落ちる轟音に、カイは目を見開いた。
羽「これで覚えたか? ヒヒヒ……」
カイ「……今の感覚か……」
その時だった。
チャキ。
首筋に冷たい感触。
カイが振り向くと、いつの間にか背後にアルガスが立っていた。
抜き身の刃が首筋をかすめ、老人の眼は獣のように光っている。
アルガス「……なんだ、今のは」
明らかな殺気が放たれていた。
カイ「ち、違うんです! これは羽の魔力が暴走して……!」
アルガス「お前は――カイで間違いないんだな?」
カイ「は、はい! めちゃくちゃカイです!」
アルガス「今みたいなことは、よくあるのか?」
カイ「い、いえ! 初めてです! でも……今のでコツをつかんだ気がするんです! 見ててください!」
カイは必死に魔力を込め、剣を振り抜いた。
だが放たれた刃は空気に溶けるように霧散する。
カイ「……あれ? おかしいな」
刃を引いたアルガスは、一転してニヤリと笑った。
その視線の先には――地面に落ちた葉が、真横にスパリと切れているのが見えていた。
(^^)/




