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悪魔の左腕  作者: 770
34/149

風の感覚

(^^)/

修行2日目の森。

朝日を浴びながら、カイはひたすら剣を振っていた。


カイ「……駄目だ。全然飛ばせない」


汗が額を伝う中、背後からあの声が響いた。


羽「ヒヒ、なに遊んでんだ?」


カイ「っ!? 遊んでない! 修行だよ、修行!」


羽「そんな魔力じゃ遠距離攻撃なんてできるわけないだろ。……ヒヒ、もっと“風”を感じろよ」


カイ「するならもっと正確にアドバイスしてくれよ!」


羽は甲高く笑った。


羽「いいだろ……見せてやる」


カイの背後に魔力が収束する。

次の瞬間――前方に巨大な風の刃が奔り、二十メートル先の大木を音もなく両断した。


木が崩れ落ちる轟音に、カイは目を見開いた。


羽「これで覚えたか? ヒヒヒ……」


カイ「……今の感覚か……」


その時だった。


チャキ。

首筋に冷たい感触。


カイが振り向くと、いつの間にか背後にアルガスが立っていた。

抜き身の刃が首筋をかすめ、老人の眼は獣のように光っている。


アルガス「……なんだ、今のは」

明らかな殺気が放たれていた。


カイ「ち、違うんです! これは羽の魔力が暴走して……!」


アルガス「お前は――カイで間違いないんだな?」


カイ「は、はい! めちゃくちゃカイです!」


アルガス「今みたいなことは、よくあるのか?」


カイ「い、いえ! 初めてです! でも……今のでコツをつかんだ気がするんです! 見ててください!」


カイは必死に魔力を込め、剣を振り抜いた。

だが放たれた刃は空気に溶けるように霧散する。


カイ「……あれ? おかしいな」


刃を引いたアルガスは、一転してニヤリと笑った。

その視線の先には――地面に落ちた葉が、真横にスパリと切れているのが見えていた。

(^^)/

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