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悪魔の左腕  作者: 770
33/149

修行初日の夜

(^^)/

山小屋の夜。

夕餉を終えたあと、床に転がるのは――魔力切れで青ざめるカイ、エリシア、DC。

そして全身に擦り傷をつけたリーディだった。


セレナ「あらあら……カイもリーディも、お疲れのようねぇ」


アルガス「お前……どんな修行をさせたら、こんな干物みたいになるんだ……」


セレナ「私が見習いの時やってたのと変わらないわよ? そっちこそ――カイの魔力切れはともかく、リーディのこの有様はなに!? かわいいお顔がボロボロじゃない!」


カイたち4人「…………」


カイ(心の声)「(冗談じゃねぇ……これでまだ初日だと……!?)」

DC(心の声)「(今までどんな魔法撃っても魔力切れなんて起こしたことなかったのに……!?)」

リーディ(心の声)「(おなか……すいた……)」

エリシア(心の声)「(もう……寝たい……)」


セレナはくすくす笑うと、両手を組んで祈りを捧げた。


セレナ「今日は特別に――《大賢者の祈り》」


金色の光が四人を包み、瞬く間に疲労と傷が癒えていく。


カイ「がっ……! やっべぇ、死にかけた!」

リーディ「おなかすいたよー!」

エリシア「魔力切れって……こんなにしんどいんだね……」


セレナは微笑んで問いかける。


セレナ「今日はどうだった?」


エリシア「洗濯物……半分しかきれいにできませんでした……」

セレナ「いいのよ。闇魔法の汚れは落ちにくいもの。焦らなくていいわ」


エリシア「……!? (あれ、やっぱり闇魔法の痕跡……)」


セレナは次にDCへ目を向ける。


セレナ「DCは?」


DC「ふふん! 見なさい!」


差し出したのは、真っ赤に染まった魔力の糸。


セレナ「まぁ! すごいじゃない! やっぱりあなたは才能があるわ! ……あとは、ほかの属性も頑張ってね!」


DC「……!?」

(鼻高々だった顔が、一瞬きょとんと揺らぐ)


アルガスも口を開く。


アルガス「お前たちはどうだった?」


カイ「全然……飛ばせませんでした。刃から魔力が離れると、すぐに霧みたいに散っちゃって……」

アルガス「最初はそんなもんだ。続けていけばいい」


視線をリーディに移す。


アルガス「リーディは……よく生きた」

リーディ「死ぬかと思ったよ! もっと手加減してよ!」

アルガス「愚か者! 殺す気だったら千回は死んどるぞ!」ニヤリ

リーディ「…………」


こうして修行初日の夜は更けていく。

疲れ果てた若き冒険者たちの瞼は重く――だが、心の奥底では確かに燃え上がるものが芽吹いていた。

(^^)/

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