大賢者の修行
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山小屋の前。
洗濯物が風に揺れる中、セレナが手を叩いた。
セレナ「さてと! 私たちも修行を始めようかしら!」
声はうきうきと弾んでいる。
DC「……アタシは特にやることないんじゃない?」
ふてぶてしく腕を組むDCに、セレナはくすりと笑った。
セレナ「DC、あなたは魔力の使い方に無駄が多いわ」
DC「なっ!? アタシの魔法は威力重視なのよ!」
セレナ「じゃあ――お得意の火属性魔法、一番強いのを撃ってみて」
挑発するように微笑むセレナ。
DCは鼻を鳴らし、杖を掲げる。
DC「見てなさい! ――《クリムゾン・ヘルフレア》!!」
轟音とともに灼熱の炎が巻き起こり、空へと燃え広がる。
だがその直後、セレナが軽く指を動かした。
セレナ「《ウォーターボール》」
放たれた小さな水球が炎に触れた瞬間――轟々と燃え盛っていた炎は、嘘のように水蒸気へと消え去った。
DC「なっ……!?」
セレナ「ね? これが“相性”と“無駄のない魔力の使い方”。」
セレナはにっこり笑い、今度は細い糸の束を差し出した。
セレナ「ほら、この糸に魔力を流して。漏れないようにね。強い魔力ほど色が濃くなるわよ」
DC「……ふんっ! すぐやってやるわ!」
挑発されたDCは目をぎらぎらさせ、両手で糸を掴む。
その横で、セレナはエリシアに向き直った。
セレナ「エリシア、あなたは魔法の使い方を間違ってるわ」
エリシア「えっ……? わ、私……?」
セレナ「回復魔法は上手よ。でも、防御魔法がなってないの」
エリシア「防御魔法……ですか?」
セレナは軽く頷く。
セレナ「防御ってことは“弾く”ってことでしょ? なら、それを武器にだってできるはずよ」
エリシア「武器に……?」
セレナはにやりと笑い、大量の洗濯物を指さした。
セレナ「とりあえずこの洗濯物を――水と魔法できれいにしちゃってくれる?」
エリシア「は、はい?」
セレナ「光属性の魔法の一番便利なところはね、掃除や洗濯にだって運用できるところなのよ!」
エリシア「……はぁ……わかりました……」
両手に光を灯し、洗濯物へと向けるエリシア。
DCは糸に魔力を通そうと悪戦苦闘し、セレナは楽しそうに二人を見守っていた。
修行はまだ始まったばかりだった。
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