人間界最強
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森の奥深く。
大樹を背に巨大な魔獣が倒れ、その胸にはカイの剣が深々と突き立っていた。
紫の爪を光らせたリーディが肩で息をし、DCは魔石の輝きを検分している。
リーディ「ふぅ……これで依頼達成だね」
カイ「意外とあっさりだったな」
DC「まぁB級相当なら、今の私たちにとっては練習程度ね」
一行が魔石を袋に詰めようとした、その時――。
ガルド「やっと見つけたぜェ」
低い声が森に響き渡る。
振り返れば、昨日の因縁の五人が立っていた。
ガルドの大斧が不気味に光り、仲間たちの視線も殺気に満ちている。
ガルド「昨日の借り、ここで返させてもらう!」
カイ「……やっぱり来たか」
五人は一斉に襲いかかる。
しかし――昨日までのカイ一行とは違った。
剣と剣が火花を散らす。
戦士ライナーの剣を受けたカイは、一瞬で切り返し、その剣を真っ二つに叩き折った。
ライナー「な、なにっ!?」
カイ「やべ……!」
思わず焦るカイ。相手の装備を壊してしまったことに。
だがライナーは恐怖に顔を引き攣らせ、そのまま戦意を喪失した。
一方、炎の呪文を紡ごうとしたカラムに、リーディが一気に距離を詰める。
小柄な体が一瞬で間合いに入り、拳打がカラムの顎を打ち抜いた。
カラム「ぐはっ……!」
そのまま気絶し、地に崩れ落ちる。
リーディ「小さくても……戦い方はあるんだよ!」
巨体のガルドが大斧を振り回し、DCを追い詰める。
その背後ではヴェイルが大魔法を詠唱していた。
ヴェイル「大地を穿て――《メテオ・ランス》!」
巨大な光槍がDCを狙う。
だがDCの口元が冷たく歪んだ。
DC「勝手に魔法唱えててくれて助かったよ」
指先がひらりと動き、発射された光槍の軌道がねじ曲がる。
次の瞬間――。
ガルド「な……!? ぐあああああっ!!」
光槍はガルドの背を貫き、その巨体を吹き飛ばした。
信じられない光景に、ヴェイルは青ざめて後ずさる。
倒れた仲間たちを前に、僧侶マリエルは震える手で杖を構えた。
マリエル「光よ、癒しの雨となれ――《ホーリーレイン》!」
聖なる光が仲間の体を包み、傷を癒していく。
だが恐怖に揺れる彼女の目に、エリシアが歩み寄った。
エリシア「守りの壁よ、彼らを包め――《サンクチュアリ・シールド》!」
光の盾がマリエルを守り、回復を補助する。
エリシア「……ごめんね。気をつけて帰ってね」
涙をこぼしながら必死にうなずくマリエルを残し、カイ一行は背を向けて森を後にする。
倒れ伏す《ストームブリンガーズ》の姿を背後に――。
その歩みは、もはや人間界では誰も追いつけぬ強者の証。
そして、魔界ですら戦える可能性を秘めていた。
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