小悪魔の爪
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優勝賞品授与式の会場は、決勝戦さながらの熱気に包まれていた。
カイたちのチームが舞台に上がると、観客席から大きな拍手が響き渡る。
その端には、すでに敗北した勇者アルディス一行の姿もあった。
準決勝で鉄仮面に打ち砕かれ、略奪者チームの棄権により繰り上げで三位。
かつての尊大さはなく、うなだれたままカイたちに絡む元気も残っていなかった。
やがて順位発表が始まる。
舞台に現れたのは――国王レオンハルトと、第一王子ディルク、第二王子ユリウス。
観客はどよめき、息を呑んだ。
レオンハルト「すばらしい戦いだったぞ、カイチーム。優勝おめでとう」
カイ「あ、ありがとうございます!」
レオンハルト「おぬしにはまだまだ未知の力があるようじゃの。精進しなさい」
リーディ「はひ! がんばりましゅ!……(か、噛んだ……)」
会場がくすりと笑いに包まれる。
レオンハルト「今大会MVPは間違いなくおぬしじゃ。すばらしかったぞ!」
DC(小声で)「ご子息は大丈夫かしら?」
レオンハルト「……気づいておったのか。驚いたわ」
DC「親子そろって戦闘ジャンキー……嫌いじゃないわ」
国王は笑みを浮かべ、重々しく言葉を続けた。
レオンハルト「では、賞品の授与を――」
運ばれてきた宝箱が開かれる。
そこにあったのは、紫に輝く一本の爪。禍々しくも美しい光を放つ。
アナウンス「今大会の優勝賞品は……悪魔の部位、『小悪魔の爪』!」
観客がどよめき、カイたちは思わず息を呑む。
ーーーその夜ーーー
宿舎の一室。
テーブルに置かれた賞品を前に、DCが身を乗り出す。
DC「アタシが使うー! 本物の部位ほしいー! 調べたいー!」
まるで駄々をこねる子供のようだった。
カイ「まてってDC! そんな勝手なこと言うなよ!」
二人が言い合いを始める。
その間、リーディは静かに爪を手に取り、眺めていた。
リーディ「……紫色できれいだなぁ」
指先でちょんとつついた、その瞬間――爪が生き物のように動いた。
リーディ「えっ!?」
紫の光がほとばしり、爪がリーディの両手に取りつく。
次の瞬間、彼の指先は変貌していた。
両の手の爪が禍々しい紫に輝き、悪魔の爪そのものへと姿を変えていた。
DC「ちょっとぉぉぉおお!! なんでアンタが使ってんのよ!!」
エリシア「リ、リーディ……それ、本当に大丈夫なの……!?」
驚愕と怒号に包まれながら、夜は更けていった――。
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