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悪魔の左腕  作者: 770
16/149

準決勝② ― 最強の勇者

(^^)/

観客席は熱狂の渦に包まれていた。

登場したのは、東の勇者と名乗る一行。いずれも英雄譚の主役と囁かれる存在だ。

だが――その態度はどこまでも傲慢だった。


アルディス「お前たちもなかなかやるようだが、生まれた時代が悪かったな。俺たちが最強だ」

ゴラン「まぁ負けても悔やむことはねぇぜ! “最強の勇者パーティ”と戦えたことを誇りに思えよ!」

ヴァロフ「ご安心ください。死なないように――手加減いたしますからね」


鉄仮面チームは沈黙。観客の声援も虚しく、仮面の奥からは感情の一切が読み取れない。


銅鑼が鳴り響き、戦いの火蓋が切られる。


アルディス「――スーパーウルトラギャラクシーソード!」


眩い光が舞台を薙ぎ払い、観客が目を覆った。大地が裂け、砂煙が会場を覆う。


ヴァロフ「……決まりましたか」

しかし、砂煙の中から現れたのは――無傷の鉄仮面たち。


ゴラン「なっ……!? 傷一つねぇだと!?」

アルディス「馬鹿な……俺の剣を受けて立っていられるはずが……!」


鉄仮面A/B/Cは一言も発せず、ただ一歩、二歩と無言で間合いを詰めていく。


アルディス「全員、同時に叩き潰すぞ!」

勇者一行は必死に攻撃を仕掛ける。

ゴランの大斧が振り下ろされ、ヴァロフの炎が走り、アルディスの剣が閃光を纏う。


だが――。


鉄仮面Aが片手の剣でゴランの斧を粉砕。

鉄仮面Cがヴァロフの魔法陣を踏み砕き、呪文を消し飛ばす。

そして鉄仮面Bがアルディスの渾身の斬撃を、素手で受け止めた。


アルディス「な……!? 俺の……剣が……!」

ゴラン「ぐあああああッ!」盾ごと吹き飛ばされ、土に沈む。

ヴァロフ「ば、馬鹿な……こんな、理不尽な……!」膝をつき、血を吐く。


勇者アルディスは後退し、蒼白な顔で叫ぶ。


アルディス「……嘘だろ、俺たちが……劣勢……だと?」


鉄仮面Bが、初めて小さく呟いた。


鉄仮面B「これが……“最強の勇者”……?」


その言葉と同時に鉄仮面たちが総攻撃を放ち、勇者一行は完全に沈んだ。

歓声も悲鳴も交じる中、沈黙の鉄仮面たちだけが、無傷のまま立っていた。


アナウンス「――勝者、鉄仮面チーム! 圧倒的です!」

(^^)/

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