準決勝② ― 最強の勇者
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観客席は熱狂の渦に包まれていた。
登場したのは、東の勇者と名乗る一行。いずれも英雄譚の主役と囁かれる存在だ。
だが――その態度はどこまでも傲慢だった。
アルディス「お前たちもなかなかやるようだが、生まれた時代が悪かったな。俺たちが最強だ」
ゴラン「まぁ負けても悔やむことはねぇぜ! “最強の勇者パーティ”と戦えたことを誇りに思えよ!」
ヴァロフ「ご安心ください。死なないように――手加減いたしますからね」
鉄仮面チームは沈黙。観客の声援も虚しく、仮面の奥からは感情の一切が読み取れない。
銅鑼が鳴り響き、戦いの火蓋が切られる。
アルディス「――スーパーウルトラギャラクシーソード!」
眩い光が舞台を薙ぎ払い、観客が目を覆った。大地が裂け、砂煙が会場を覆う。
ヴァロフ「……決まりましたか」
しかし、砂煙の中から現れたのは――無傷の鉄仮面たち。
ゴラン「なっ……!? 傷一つねぇだと!?」
アルディス「馬鹿な……俺の剣を受けて立っていられるはずが……!」
鉄仮面A/B/Cは一言も発せず、ただ一歩、二歩と無言で間合いを詰めていく。
アルディス「全員、同時に叩き潰すぞ!」
勇者一行は必死に攻撃を仕掛ける。
ゴランの大斧が振り下ろされ、ヴァロフの炎が走り、アルディスの剣が閃光を纏う。
だが――。
鉄仮面Aが片手の剣でゴランの斧を粉砕。
鉄仮面Cがヴァロフの魔法陣を踏み砕き、呪文を消し飛ばす。
そして鉄仮面Bがアルディスの渾身の斬撃を、素手で受け止めた。
アルディス「な……!? 俺の……剣が……!」
ゴラン「ぐあああああッ!」盾ごと吹き飛ばされ、土に沈む。
ヴァロフ「ば、馬鹿な……こんな、理不尽な……!」膝をつき、血を吐く。
勇者アルディスは後退し、蒼白な顔で叫ぶ。
アルディス「……嘘だろ、俺たちが……劣勢……だと?」
鉄仮面Bが、初めて小さく呟いた。
鉄仮面B「これが……“最強の勇者”……?」
その言葉と同時に鉄仮面たちが総攻撃を放ち、勇者一行は完全に沈んだ。
歓声も悲鳴も交じる中、沈黙の鉄仮面たちだけが、無傷のまま立っていた。
アナウンス「――勝者、鉄仮面チーム! 圧倒的です!」
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