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悪魔の左腕  作者: 770
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風と光

(^^)/

――八年後。

穏やかな陽光が差し込む小さな山間の村。

洗濯物が風に揺れ、柔らかく光を反射している。


エリシア「ねぇルミナ?ヴェントはどこ行ったの?」

ルミナ「さぁ?知らないわ。どうせまたトカゲでも倒しに行ったんじゃないの?」

エリシア「もう……あの子はほんと落ち着きがないんだから」

ルミナ「仕方ないでしょ、バカなんだから」

エリシア「……そういわないの」

そう言って、エリシアはふっと笑う。

風が優しく吹き抜け、乾いた洗濯物を揺らした。

それはまるで、遠い空から誰かが見守っているかのように。


森の奥。

大トカゲが倒れ、焦げた鱗の上に若者が仁王立ちしている。


ヴェント「よっしゃ!今日は150cm級に勝てたぜ!」

汚れた木刀を肩に担ぎ、額の汗を拭う。

ヴェント「今度の――ガルディナの武闘大会、絶対本戦出場まで行ってやる!」

少年の瞳には、燃えるような闘志と、どこか懐かしい“赤”の光が宿っていた。



日が暮れた村の酒場。

酔いどれた冒険者たちの声が響く。


冒険者A「おい、聞いたか? 数年前に魔界に現れた“3災害”の話……」

冒険者B「あぁ、風、炎、水の三柱だとか……以前の“4大悪魔”を遥かに凌ぐ魔力らしいな」

冒険者C「天使教の連中も追ってるらしいが、手配書すら出せてねぇそうだ」

冒険者D「人間界に出てきたらどうすんだ?……また魔王戦争か?」

冒険者A「ま、勇者アルディス様たちがなんとかしてくれるだろ」

冒険者B「“最強の勇者”が健在ならな……」


その会話の片隅で、少年はジョッキを置いた。


ヴェント(3災害……4大悪魔……魔王……?)

彼の胸に、ざわめく何かがあった。

血の奥で燃えるような鼓動――


ヴェント(……おもしれぇ)

少年は微笑む。


家の前で、エリシアは夕焼けを見上げる。

空を撫でるように吹いた一陣の風が、彼女の頬をかすめた。


エリシア「……ねぇ、あなた。

あの子、あなたにそっくりなのよ。

風に向かって笑ってるの。きっと、あなたも笑ってるんでしょ?」


ルミナがそっと母の手を握る。


遠く、どこまでも広がる空。

その向こうに、再び始まる新しい物語があった。

おわりです(^^)/

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