表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の左腕  作者: 770
147/149

祝杯の夜、静かな兆し

(^^)/

――湖畔。

戦いの終焉を迎えた静寂の中、風が柔らかく草を揺らしていた。


ヴォルト「改めて……ありがとう。お前たちがいなければ、私はここに立ってはいなかった」

カイ「気にすんなよ。俺たちも自分の目的のために戦っただけだ」

ヴォルト「……それでも、感謝している。私は――もう、迷わない」


ヴォルトは微笑み、そっと空を見上げる。

その瞳は、どこか哀しげで、それでいて晴れやかだった。


シュリーデ「さて、ここでお別れかしら?」

ヴォルト「そうだな。私は、この地を守る者として戻らねばならん。……また会う日が来るといい」


淡い雷光が走り、彼女の体が光に包まれていく。

ヴォルト「……ありがとう」


静かな残響とともに、雷と光は消えた。


カイ「……相変わらず、最後までかっけぇ奴だな」

イグニス「礼儀正しいのはいいが、堅ぇよなぁ。もっと肩の力抜けっての」

DC「アンタに言われたくないわ」

リーディ「ねぇねぇ、もう戦わなくていいんだよね?」

カイ「あぁ。これでやっと、終わりだ」


――そう言ったカイの横で、エリシアが少しふらつく。


エリシア「……ん、ちょっと、目が……くらんだだけ」

カイ「おい、大丈夫か?」

エリシア「うん、大丈夫。ほんの少し疲れただけ」

DC「まぁ、あんだけ魔力使えばね。今日はもう無理しないで」

カイ「休め。あとは俺たちで片付ける」

エリシア「……ありがと、カイ」


彼女の微笑みはいつもと変わらぬ穏やかさだったが、ほんのわずかに、その頬の色が薄かった。


――夜。

焚き火が灯り、宴の音が湖畔に響く。

イグニス「かんぱーい!!」

リーディ「お肉焼けたよー!」

DC「お酒もう一本持ってきなさい!」

シュリーデ「んふふ♡ 平和な夜はいいものねぇ」

カイ「これだよこれ!戦いよりもこういうのがいいよな!」

ジン「……まぁ、悪くはない」


笑い声が弾ける。

誰もが心から笑い、語り、過ぎ去った日々の重さを少しずつ手放していくようだった。


カイ「なぁ、エリシア。ほら、食えよ。うまいぞ」

エリシア「うん……ありがとう」

けれど、カイの差し出した皿を受け取るエリシアの指は、かすかに震えていた。


風が吹く。

焚き火の炎が揺らぎ、その揺らめきがエリシアの横顔を淡く照らす。

その微笑みは確かにあった――けれど、その奥に、誰も知らぬ痛みが潜んでいた。



(^^)/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ