封印の光
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轟音。
山を覆っていた黒雲が一瞬晴れ、白い光の柱が空を貫く。
封印陣の中心で、ヴォルトが詠唱を続けていた。
ヴォルト「――《聖封陣・アストラル・オブ・エデン》!」
その声に反応するように、ネレウスの体が脈打つ。
半ば溶けた肌からは黒い瘴気があふれ、地面を腐食させていく。
ネレウス「やはり……貴様が“鍵”か、アテネぇぇぇぇ!!」
ヴォルト「その名を捨てたと言ったはずだ……!」
聖槍・ネヴァーを突き立てる。雷光が封印陣に走り、地を縫い付ける。
カイ「すげぇ……でもこのままだとヴォルトが……!」
DC「封印術ってのは命の循環を使うからね、あのままだと全部吸われるわ!」
ジン「......間に合わない」
パイラ「おい、やる気か? “願い”を使えば確実に――」
ジン「うるさい、今だ。やるぞパイラ!」
パイラ「あぁ、いいぜ」
炎の紋章がジンの周囲に広がる。
同時に、カイの背にも風の紋が走る。
ヴェントゥス(カイの左腕)「本気でやるつもりですね」
カイ「当たり前だ、ヴォルトを死なせはしない」
アロエス「ヒヒヒ、願うんだな?」
カイ「あぁ……“ヴォルトを死なせず、魔王を封じる”」
二人の体が淡く光る。
炎と風が絡み合い、天へと昇っていく。
ネレウス「貴様ら……何をした……?」
封印陣が変化を始めた。
中心にいたヴォルトの体が光に包まれ、血の色を帯びていた瘴気が清浄な光に変わっていく。
ヴォルト「これは……?」
アエロスの声が響く。
アロエス「ヒヒヒ……お前の命、もう捧げなくていいぜぇ。もう届いた」
パイラ「さっさと封印しろってよ、こっちはもう限界だ」
ヴォルト「カイ、ジン……お前たち……」
カイ「礼は後でいい! 今はやるしかねぇ!」
ジン「ヴォルト、最後の詠唱を!」
ヴォルト「……了解!」
ヴォルト「――《終極封印・ルクス=サンクティス》!!!」
山全体を覆うほどの光陣が発動する。
光の帯がネレウスの四肢を絡め取り、大地の奥底へと引きずり込む。
ネレウス「ぐぅぅぅぅぅ……この私が……原初の一柱がぁぁぁ!!」
ヴォルト「……どうか、この魂を……鎮めて!」
アエロス「任せな、嬢ちゃん!」
パイラ「地獄の火で焼き尽くしてやる!」
空に昇る光と炎の柱が交差する。
ネレウスの叫びが、雷鳴のように山々へと響き渡った。
――やがて、静寂。
風が止み、空が澄みわたる。
残されたのは、封印陣の中心に横たわるヴォルトだけだった。
エリシア「ヴォルトさん!」
リーディ「生きてる!」
DC「……信じらんない、封印陣が“生体循環”で維持されてる……彼女は死んでないわ」
カイ「……やったな、ジン」
ジン「あぁ。……けど、これが限界だ」
カイ「俺たちが羽に願った……その代償、どうなるんだ?」
ジン「知らん。だが、妹のときよりも、悪い気はしない」
カイ「……ああ」
風が吹く。
ヴォルトの髪がなびき、彼女の瞳がうっすらと開いた。
ヴォルト「……終わったの?」
カイ「いや、まだ始まったばかりだ。今度は俺たちが、この世界を導く番だ」
ヴォルト「……そう、ね」
ヴォルトが微笑む。
その笑顔は、長い戦いの果てに見た、初めての安らぎだった。
シュリーデ「まったく……あんたたち、無茶にもほどがあるわ」
イグニス「だがよぉ、やっぱり最後はカイとジンだな!」
リーディ「僕もがんばったよ!?」
エリシア「みんな……本当にお疲れさま」
DC「さてと……この封印、解析するまで寝られないわね♡」
カイ「お前は相変わらずだな……」
ヴォルト「……ありがとう、みんな」
封印陣が静かに輝きを放ち続けていた。
それはまるで――新たな“夜明け”を告げる灯のように。
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