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悪魔の左腕  作者: 770
141/149

運命を喰らう刃

(^^)/

結界の中に響く甘美な旋律。

セラヴィナが目を細めながら、歌声に呪詛を乗せる。

セラヴィナ「ふふ……この歌を聴いた者は等しく死に至る……♪」


空気そのものが黒い揺らぎを帯び、カイの耳奥に鋭い痛みが走る。


カイ「っ……耳が……!」

二人はシュリーデが展開した水のドームに包まれた。

波紋のように震える水の壁が、外の歌声を遮る。


シュリーデ「音で来る魔法の対抗策はね――」

カイ「……うん」

シュリーデ「もっと大きな音でかき消しちゃえばいいの!」

カイ「は?マジで言ってんのか!?」

シュリーデ「大マジよ!でも、それだけじゃ彼女は倒せない」


カイ「じゃあ他に何が必要なんだ?」

シュリーデはわずかに視線を逸らし、唇を噛んだ。

シュリーデ「……運、よ」

カイ「……運か……よし!……って運なのか!?」


シュリーデ「これも大マジ。彼女は”絶対に低確率を引く魔術”を持ってるの。要するに、外れクジを絶対に引く女」

カイ「……つまり、めちゃくちゃ運が悪いってことか?」

シュリーデ「いいえ……良くも悪くも、”必ず少数派を引く”。それが彼女の絶対性。だから普通なら絶対死んでる場面でも死なないの」

カイ「……で、お前が一緒にいる状態だと、少数派は?」

シュリーデ「私に勝つ確率が少数派……つまり、私に勝っちゃう」

カイ「負け確イベントじゃねぇか!!」

シュリーデ「仕方ないでしょ!セラヴィナが復活してるなんて誰も思わなかったんだから!」


セラヴィナ「あなたたちぃ~、いつまでおしゃべりしてるのかしら~?♪」


甘美な声と共に即死の波動が押し寄せる。

シュリーデが杖を振り上げた。

シュリーデ「―― 大潮衝破!!」


水のドームが崩れ、轟音を立てて津波が巻き起こる。

その爆音がセラヴィナの歌声をかき消し、空気が震えた。


カイ「うおぉぉ!!―― 疾風斬閃!!」

風を纏った斬撃が光速に近い速さで飛び、セラヴィナを狙う。


シュリーデ「今よ!―― 運命の千金!!」

空から無数の金貨が降り注ぎ、運命を賭けた魔術が発動する。


セラヴィナ「999コイン!?あんた……死ぬ気!?」

セラヴィナの目に狂気が宿る。

セラヴィナ「その魔術なら絶対、私は負けない!!」


その言葉を遮るように、カイの刃がセラヴィナを両断した。


カイ「……よし!」

シュリーデ「……カイ、あんた……なんで……」

カイは懐から歪んだダガーを取り出す。刃は黒い瘴気を纏い、呻くように震えていた。


カイ「ん?あぁ、これ使ったんだ。どうせ死ぬなら、こいつに命吸わせてみようかなって思ってな」

シュリーデ「それは……”魂喰らい”……!? まさか、まだ残ってたなんて……」


崩れ落ちたはずのセラヴィナが、血を吐きながら顔を上げる。

セラヴィナ「……あんた……なんで……それを……」

カイ「なんだお前!?まだ生きてる!? 貴族ってのは全員不死身なのか!?」


セラヴィナの目が微かに見開かれる。

セラヴィナ「……その短剣……やっぱり……あいつ……」

掠れる声を最後に、彼女の体は塵となって消えた。


結界が霧散していく。

カイはダガーを腰に戻し、息をつく。

カイ「よし!……DCを助けに行こう!」

シュリーデ(……この子、そのダガーの価値も、持ち主も知らないんだろうな)

シュリーデ「OK、いくわよ!」


二人は駆け出す。残響のようにセラヴィナの歌声が消えていった。

(^^)/

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