雷炎の騎士と愛の魔女
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白濁した結界の中、甘い香りを帯びた瘴気が漂っていた。
ゾンビたちが呻き声をあげながら這い寄る。
ルナティアは退屈そうに笑みを浮かべ、肩をすくめる。
ルナティア「なるほど……二人はLOVEじゃないけど、姫とナイトって関係なのね」
エリシアは光の杖を構え、ジンの背に立つ。
ルナティア「で……あなた、強いわねぇ。私にやられた子たち、まだ復活できてないの。……火属性ね」
ジンの目が鋭く光る。
ジン「俺の炎は特別性だ。燃えたら最後、死ぬまで燃え続ける」
エリシア「気をつけ――」
羽「黙ってろって言ってんだろ!俺たちに任せときゃあいいんだよ!」
エリシア「!?」
ジン「……パイラ、黙るのはお前だ。いくぞ」
パイラ「チッ……わかったよ!」
雷光が走る。ジンの身体から溢れる電撃が瞬時に空間を支配した。
ジン「―― 雷嵐招来!」
轟音とともに無数の稲妻がゾンビを一掃し、一直線にルナティアへと走る。
ルナティア「!? 嘘でしょ!―― 愛盾の抱擁!」
薔薇の花弁のような光盾が幾重にも重なりジンを防ぐが、次の瞬間――
ジンは稲妻の速度で目の前に迫っていた。
ジン「遅い」
闇を纏った拳が盾を叩き砕く。
ジン「―― 闇撃・破砕掌!」
ガラスが砕け散るような音。盾は粉々に砕け、ルナティアの表情が歪む。
ルナティア「っ!? 打撃で……!?」
ジン「終わりだ」
迫る一撃に、ルナティアは両手を広げ、魔力を爆発させる。
ルナティア「……っ!! 愛軍招集!!」
足元の地面がうねり、十数体の将軍級ゾンビが召喚され、エリシアを取り囲む。
エリシア「っ!?(…間に合わない!)」
しかし、ジンの声が響いた。
ジン「その程度で俺を止められると思っているのか」
彼の身体が雷光に包まれ、輪郭が揺らぐ。
ジン「―― 雷幻影分身!」
稲妻の残像から三人のジンが生まれる。
一人目はゾンビをなぎ払ってエリシアの前に立ち、
二人目は残る盾を粉砕し、
最後の一人が炎と雷を重ね合わせて斬撃を振り抜いた。
ジン「―― 雷炎一閃!!!」
雷光の閃きと炎の奔流が交差し、ルナティアの身体を両断する。
ルナティア「……やるじゃん、ナイトくん」
妖艶な微笑みを浮かべたまま、その身体は塵となって崩れ落ちた。
稲光が消え、静寂が戻る。
ジンは振り返り、エリシアの姿を確認する。
ジン「……無事か?」
エリシア「うん!ありがとう!」
雷に照らされた二人の影を残して、結界が解け、外界へと戻っていく。
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