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悪魔の左腕  作者: 770
139/149

空腹を断ち切る炎

(^^)/

結界の中、唸る瘴気を背景に三人の影が交錯する。

槍を構えるイグニスと、狼の爪を煌めかせるリーディ。

巨大な口を開けては獣のように襲い掛かるのは、七大貴族“空腹”のベロガンだった。


槍と牙、炎と瘴気――攻勢は一進一退を繰り返す。


ベロガン「ふ~む」

イグニス「なんだ?どうした!」

リーディ「何企んでんだよ……!」


ベロガンは口元をぬぐいながら、妙に落ち着いた声で告げる。

ベロガン「お二方とも、なかなかやるようだ。だが……槍の貴方、まだもう一段階、隠してますね?」


イグニスはニヤリと笑う。

イグニス「そりゃあお互い様だろ?そっちこそ、何隠してやがんだ?」


リーディは一瞬、眉をひそめた。

リーディ(……ほんとにまだもう一段階あるのか……?)


ベロガンは喉の奥から獣じみた声を響かせ、両腕を広げる。

ベロガン「では見せてあげましょう―― 飢餓顕現!」


その身体が異形へと変貌していく。

頭部は縦に裂け、口が腹部まで伸び、牙は瘴気をも噛み砕く巨大な形状に変化した。

「ゴオォォォ!」と音を立てながら周囲の瘴気すら吸い込み、魔力の流れまでも引きずり込む。


リーディ「なっ……!? 魔力が……喰われてる……!」

イグニス「ちっ……!」(俺もリーディも魔力で戦うタイプじゃねぇ。だから気づかなかったのか……!)


ベロガン「どうです!?この力!あなたたちの魔力まで食い散らかしてあげましょう!」


イグニスは槍を握り直し、鬼のような形相で吠える。

イグニス「へっ!でかくなったから何だってんだ!―― 焔魔顕現!!」


炎が迸り、イグニスの肉体がさらに膨張する。角のような焔を生やし、背に炎の羽根を纏ったその姿は、まさに南天の魔神。

外に漏れる魔力は極限まで絞られ、代わりに内部に凝縮された力が炎となって滾っていた。


イグニス「リーディ!てめぇの背負ってる師匠の剣、あるだろ?あれを腕に同化してみろ!」

リーディ「同化!? ……うん!やってみる!」


リーディは両腕を胸の前で交差させ、声を張り上げた。

リーディ「―― 武魂同化!」


その瞬間、腕が爪剣へと変わり、白銀に輝く刀身が顕現する。

刃の表面は灼熱の炎で覆われ、赤と白が交じり合う光がリーディを照らした。


ベロガン「……な、なんですそれは!? 魔力を取り込めない……だと……!?」

イグニス「おうよ。これは魔力の流れなんかじゃねぇ、魂そのものを刃に変えたんだ!」


イグニスは燃える槍を構え、リーディは光爪を握りしめる。

二人の視線が交錯し、同時に頷いた。


イグニス「行くぞ――リーディィィィ!!」

リーディ「うんっ!!」


二人の声が重なる。

イグニス&リーディ「―― 焔牙双襲!!!」


灼熱の突きと、白刃の斬撃が交差する。

一対の炎牙が巨大な獣の頭を貫き、内部から燃え尽くしていった。


ベロガン「がっ……がぁぁぁぁぁっ……!!」

絶叫をあげる間もなく、その身体は灰となり、瘴気ごと燃え尽きていった。


結界が揺れ、静かに晴れていく。


イグニス「ふぅ……ちっと焼きすぎたか?」

リーディはその隣で、全身を震わせながらも笑った。

リーディ「イグニス……怖かったけど……楽しかった……!」


炎の残り香の中、二人の影が再び前線へと歩みを進めていった。

(^^)/

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