滅びの歌
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シュリーデ「……こないわね」
セラヴィナ「えぇ……オルガレスなら、とっくに来てもおかしくないのに」
互いに鉄扇と魔導杖を構えたまま、だが緊張感は少し薄れていた。
シュリーデ「だからあのおじさんは来ないって。ウチのヒマワリちゃんが勝つんだから」
セラヴィナ「だーかーらー、無理だって。オルガレスの魔力、すごいんだから」
シュリーデ「ヒマワリだってすごいわよ!魔力だけなら今の魔界でも最高クラスなんだから」
セラヴィナ「……」
シュリーデ「……」
二人「暇だわ~」
重苦しい結界の中で、妙に気の抜けた会話が響いたそのとき――。
カイ「……おい、こんなとこで何やってんだ?」
結界の裂け目からカイが姿を現す。背に黒翼を広げ、両腕からは魔力がほとばしっていた。
シュリーデ「あら、カイ。助っ人登場ってわけね」
セラヴィナ「何この子?」
シュリーデ「あなたが来るとは思ってなかったわ。ヒマワリは?」
カイ「DCなら外で“不死身”ってやつと戦ってる。」
セラヴィナ「ドルミナス……って、え?そのDCって子、出てきてるの?オルガレスはどうなったの?」
カイ「誰だよそれ。とにかく大丈夫か?シュリーデ、力を貸すぜ」
セラヴィナは唇を吊り上げ、片手をかざす。
セラヴィナ「なかなか強そうね。でもこれは耐えられるかしら?――《哀哭終焉のカンタービレ》」
低く甘い歌声が響いた瞬間、空間全体が震え、見えぬ刃が無数に走る。耳を覆うだけでは意味がない、魂そのものを切り裂く死の旋律。
カイ「っ……!?」
膝をつきかけたところに、水の壁が彼を包み込む。
シュリーデ「《蒼海結界・アクアヴェール》!」
膨大な水流が防壁となり、波紋が響きを吸収する。
シュリーデ「カイ、気をつけて。彼女は音を媒介する即死級の呪文の使い手よ。範囲広めだけど、音なら対処法は多い。油断しなければ耐えられる!」
カイは剣を構え直し、深く息を吐く。
カイ「わかった……じゃあ音より速く切る!」
シュリーデ「そこまで単純でもないっての!いいからアタシに合わせなさい!」
セラヴィナ「ふふ、愛しいわね。二人揃って、私の旋律に抱かれて果てなさい」
歌声が再び結界を揺らし、光と闇と音が絡み合う死闘が始まろうとしていた。
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