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悪魔の左腕  作者: 770
137/149

滅びの歌

(^^)/

シュリーデ「……こないわね」

セラヴィナ「えぇ……オルガレスなら、とっくに来てもおかしくないのに」


互いに鉄扇と魔導杖を構えたまま、だが緊張感は少し薄れていた。

シュリーデ「だからあのおじさんは来ないって。ウチのヒマワリちゃんが勝つんだから」

セラヴィナ「だーかーらー、無理だって。オルガレスの魔力、すごいんだから」


シュリーデ「ヒマワリだってすごいわよ!魔力だけなら今の魔界でも最高クラスなんだから」

セラヴィナ「……」

シュリーデ「……」

二人「暇だわ~」


重苦しい結界の中で、妙に気の抜けた会話が響いたそのとき――。


カイ「……おい、こんなとこで何やってんだ?」


結界の裂け目からカイが姿を現す。背に黒翼を広げ、両腕からは魔力がほとばしっていた。


シュリーデ「あら、カイ。助っ人登場ってわけね」

セラヴィナ「何この子?」


シュリーデ「あなたが来るとは思ってなかったわ。ヒマワリは?」

カイ「DCなら外で“不死身”ってやつと戦ってる。」


セラヴィナ「ドルミナス……って、え?そのDCって子、出てきてるの?オルガレスはどうなったの?」

カイ「誰だよそれ。とにかく大丈夫か?シュリーデ、力を貸すぜ」


セラヴィナは唇を吊り上げ、片手をかざす。

セラヴィナ「なかなか強そうね。でもこれは耐えられるかしら?――《哀哭終焉のカンタービレ》」


低く甘い歌声が響いた瞬間、空間全体が震え、見えぬ刃が無数に走る。耳を覆うだけでは意味がない、魂そのものを切り裂く死の旋律。


カイ「っ……!?」

膝をつきかけたところに、水の壁が彼を包み込む。


シュリーデ「《蒼海結界・アクアヴェール》!」

膨大な水流が防壁となり、波紋が響きを吸収する。


シュリーデ「カイ、気をつけて。彼女は音を媒介する即死級の呪文の使い手よ。範囲広めだけど、音なら対処法は多い。油断しなければ耐えられる!」


カイは剣を構え直し、深く息を吐く。

カイ「わかった……じゃあ音より速く切る!」


シュリーデ「そこまで単純でもないっての!いいからアタシに合わせなさい!」


セラヴィナ「ふふ、愛しいわね。二人揃って、私の旋律に抱かれて果てなさい」


歌声が再び結界を揺らし、光と闇と音が絡み合う死闘が始まろうとしていた。

(^^)/

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