雷と水禍
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ヴォルト「……ネレウス……貴方はいったいどこまで堕ちてしまった……」
ネレウス「ヴォルト……いや、アテネ。お前を殺せる日が来るとはな……」
その瞳に宿るのは、かつての盟友を見据える冷徹な殺意。
ヴォルトの左腕が槍へと変じ、青白い雷を帯びて振り下ろされる。
雷閃が一直線にネレウスを裂こうと走る。
ネレウス「無意味だ」
水膜のような魔力が雷を弾き、炸裂音だけが虚空を震わせた。
ネレウス「右腕を使え、ゼノアスの意思を見せろ」
ヴォルト「断る!」
次の瞬間、ヴォルトの姿が消えた。
雷速の踏み込み、十重二十重に生まれる残像。空間を縦横無尽に切り裂く。
ヴォルト「――《雷閃槍・紫電葬》!」
無数の槍閃が降り注ぎ、湖畔の大地を穿つ。
しかし、その全てを覆い隠すように蒼黒い瘴気が立ち込める。
ネレウス「《毒霧・奈落の淵》」
立ち上る霧はただの瘴気ではない。触れた瞬間、肉体と魂を同時に蝕む禁忌の水禍。
雷の残像が一つ、二つと霧に呑まれて消えていく。
ヴォルト「……こんなもの……!」
残る一閃が霧を切り裂き、前へと踏み込む。
槍が大地を抉り、毒霧を裂く雷鳴が轟いた。
互いに距離を取り直し、対峙する二人。
ネレウス「アテネ……雷も悪くはない。だが水禍はすべてを呑み尽くす」
ヴォルト「私はゼノアスではない。私は私の意思で槍を振るう!」
湖畔を割る雷鳴と、地を濁す水禍。
二つの原初が、次の一手を見据えた。
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