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悪魔の左腕  作者: 770
130/149

強奪の終焉

(^^)/

灰色の結界空間。空気は張りつめ、魔力の火花が走る。


両者は静かに対峙していた。


ヴェルドガン「……ふむ。やはり只者ではないな」

分厚い岩の皮膚に覆われた老体が、不気味に笑む。


ジン「無駄口はいい。お前の力が“強奪”だろう?ならば奪ってみせろ、俺の全てを」

淡々とした声音。片眼の奥に燃えるのは、冷たい決意。


ヴェルドガンは杖を天に掲げた。


ヴェルドガン「《魔奪顕現》!」

瞬間、ジンの放った雷の矢が黒い霧に吸い込まれる。


ジン「……やはり吸収か」

動じず次の手を打つ。


ジン「《紅蓮雷衝》」

炎と雷を同時に叩きつける複合魔法。


だが――。


ヴェルドガン「《大地顕現・強奪化身》!」

岩の巨躯が出現し、直撃を吸収。


ジンの眉がわずかに動いた。


ジン「……なるほど。魔法を喰らうほど、強くなる仕組みか」


ヴェルドガン「そうだ!私は奪う者!喰らえば喰らうほど強くなる!」

魔力の圧が跳ね上がる。筋肉が盛り上がり、瞳孔が紅く染まった。


ジン「……ふん」


雷鳴が走った瞬間、ジンの姿が掻き消えた。


ヴェルドガン「ぐっ!?」

背後から放たれた黒雷の蹴りが背中を抉る。


ジン「強化に頼るな。お前は自分の力で戦っていない」


ヴェルドガン「黙れ!《強奪・双刻解放》!」

さらに魔力が膨張し、巨体が二回りも増す。


ジン「……」


冷ややかな目で見下ろす。


数合の交錯。ヴェルドガンの拳は重く、鋭く、確かに四大悪魔級の力を帯びていた。

だがジンはすべてを紙一重で受け流す。表情一つ変えずに。


ヴェルドガン「ぐぅぅ……なぜだ!なぜ当たらぬ!」


ジン「遅すぎる」


鋭い拳が腹を穿ち、雷の魔力が内部を爆ぜさせる。


血を吐きながらもヴェルドガンは笑った。


ヴェルドガン「ならば……最後の賭けだ……!」

己の魔力核を掴み出し、喰らう。


ヴェルドガン「《強奪終焉・魔神顕現》!」


肉体が弾け、魔神のごとき異形へと変貌。

その圧力は、もはや魔王に匹敵するほどだった。


ジン「……くだらん」

淡々と右手をかざす。


ジン「《終焉雷炎葬》」


黒雷と紅蓮の炎が螺旋を描き、異形を包み込む。

ヴェルドガンの肉体は抵抗する間もなく焼き尽くされた。


灰が舞う中、片眼の青年は歩みを止めない。


ジン「……強さは奪うものじゃない。積み重ねるものだ」


呟きは虚空に消え、結界が音を立てて崩壊する。


ジンの背は、もはや誰も追いつけぬほどに大きかった。

(^^)/

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