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悪魔の左腕  作者: 770
129/149

破壊の果てに

(^^)/

焦げたような岩地に、二人の影が揺れる。

血のように濃い魔力を放つのは、七大貴族のひとり――“破壊”のガルダイン。


ガルダイン「はぁ……はぁ……」

汗と血にまみれ、呼吸も荒い。それでも瞳にはまだ執念の炎が宿っていた。


カイ「もうやめよう!お前じゃ俺には勝てない!」

剣を構えたまま、必死に声をかけるカイ。


ガルダイン「ふざけるな……!魔界貴族を、なめるなよぉぉぉ!」

全身の魔力が暴走する。


ガルダイン「《命蝕・破壊顕現》ッ!!」


体中に走る黒い紋様。皮膚は裂け、肉体を削りながらも、圧倒的な力が漲る。


カイ「!?……あいつ……自分の命を削ってまで……」

息をのむカイの目に、確かに宿るものがあった。狂気と覚悟。


ガルダイン「どうだ……!これが……はぁ……はぁ……真の破壊だ……!」

しかし次の瞬間――。


ガルダイン「!?」


視線を走らせる。

背後で剣を静かに収めるカイの姿。


カイ「……ここまで人間離れしてしまったのか、俺は」

その声には勝利の歓喜も優越もない。ただ、深い悲哀だけがあった。


ガルダイン「ふ、ざけ……るな……っ」

振り返ろうとした瞬間、彼の視界が歪む。


己の上半身が――足元から滑り落ちていくのを見て。


ガルダイン「な……」


断末魔は最後まで紡がれることなく、肉体は砂塵と化して消滅した。


結界の膜が音もなく崩れ落ちていく。


剣を下ろしたままのカイ。

カイ「本当に……殺したいわけじゃなかったんだ……すまない」


誰に届くでもない呟きが、虚空に消えた。


彼の心には勝利の実感よりも、ただ一つ――「破壊」と呼ばれた男への無念が残された。

(^^)/

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