南天の槍、燃え上がる
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荒れ果てた白の結界、その中心に二つの影が対峙していた。
片や燃え盛る炎のごとき気迫を放つ巨躯――イグニス。
イグニス「よぉし!行くぞ!」
叫ぶや否や、炎の魔力を纏わせた大槍が唸りを上げる。
ドルミナス「あ〜……ほんとにだるい」
ガッ!
その一撃をまともに受け、ドルミナスの体は後方へ大きく吹き飛ぶ。
だが――。
イグニス「……!? なんだてめぇ! 本気出せよ!」
ドルミナス「いいんだよ、僕はこれで……よっこいしょ」
煙の中から現れたドルミナスの体には、かすり傷ひとつない。
のろのろと立ち上がるその様子は、挑発とすら思えるほどだ。
ドルミナス「僕は七大貴族最硬、“不死”のドルミナス」
淡々と名乗りを上げる悪魔。その声音は眠そうだが、重みだけは揺るぎなかった。
イグニス「不死……ねぇ。いいじゃねぇか! やりがいがあるってもんだぜ!」
ドルミナス「暑苦しい……ほんと嫌いなんだよね、そういうの」
イグニスは大槍をぐっと構え直し、燃え立つ瞳で相手を睨み据える。
イグニス「じゃあ改めて!
魔界四大悪魔・南天の烈槍――イグニス! いざっ!」
怒涛の突進。
大槍が稲妻のように繰り出される。
だがドルミナスは、避ける素振りすら見せず、ただ受け流すように立ち尽くす。
イグニス「舐めてんじゃねぇぞ……喰らいやがれ!
《焔穿・紅蓮突》!!!!」
紅蓮の炎をまとった一撃が一直線に伸び、空間ごと焼き裂いた。
ドルミナス「!?……」
初めてその瞳に驚愕が宿る。
咄嗟に身をかわし、頬をかすめて槍先が通り過ぎた。
赤い血が一筋、頬を伝う。
イグニス「やっと避けたな……!」
不敵な笑みを浮かべるイグニス。
イグニス「今くらいの威力をぶち込めば……倒せるって計算でいいか? 不死さんよぉ!」
ドルミナスは指で頬の血を拭い、その赤をぼんやりと見つめた。
次の瞬間――口元が、楽しげに歪む。
ドルミナス「……ちょっとだけやる気出たよ」
低く、しかし確かに戦意を帯びた声が結界に響いた。
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